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令和 4 年度(2022 年度)事例 Ⅳ
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# 令和 4 年度(2022 年度)事例 Ⅳ
## 与件文
D 社は、1990 年代半ばに中古タイヤ・アルミホイールの販売によって創業した会社 であり、現在は廃車・事故車の引取り・買取りのほか中古自動車パーツの販売や再生 資源の回収など総合自動車リサイクル業者として幅広く事業活動を行っている。D 社 の資本金は 1,500 万円で直近の売上高は約 10 億 3,000 万円である。
創業当初 D 社は本社を置く地方都市を中心に事業を行っていたが、近年の環境問題 や循環型社会に対する関心の高まりに伴って順調にビジネスを拡大し、今では海外販 売網の展開やさらなる事業多角化を目指している。
D 社の事業はこれまで廃車・事故車から回収される中古パーツのリュース・リサイ クルによる販売が中心であった。しかし、ここ数年における日本車の中古車市場 が拡大し、それらに対する中古パーツの需要も急増していることから、現在 D 社で は積層造形 3D プリンターを使用した自動車パーツの製造・販売に着手しようとして いる。また上記事業と並行して D 社は、これまで行ってきた廃車・事故車からの パーツ回収のほかに、より良質な中古車の買取りと再整備を通じた中古車販売事業も 新たな事業として検討している。
中古車販売事業については、日本車の需要が高い海外中古車市場だけでなく、わが 国でも中古車に対する抵抗感の低下によって国内市場も拡大してきており、中古車販 売事業のウェイトを置く同業他社も近年大きく業績を伸ばしているといった状況で ある。D 社は中古車市場が今後も堅調に成長するものと予測しており、中古車販売事 業に進出することによって新たな収益源を確保するだけでなく、現在の中古パーツ販 売事業にもプラスの相乗効果をもたらすとしている。従って、D 社では中古車販売 事業に関して、当面は海外市場をメインターゲットにしつつも、将来的には国内市場 への進出も見据えた当該事業の展開を目指している。
しかし D 社は、中古車販売事業が当面、海外市場を中心とすることや当該事業の ノウハウが不足していることなどからリスクマネジメントが重要であると判断して お り、この点について外部コンサルタントを加えて検討を重ねている。
D 社と同業他社の要約財務諸表は以下のとおりである。なお、従業員数は D 社 53 名、同業他社 23 名である。
### 貸借対照表
(令和 4 年 3 月 31 日現在)(単位:万円)
| | D 社 | 同業他社 | | D 社 | 同業他社 |
| :--------------- | :----- | :------- | :------------------- | :----- | :------- |
| **<資産の部>** | | | **<負債の部>** | | |
| **流動資産** | 33,441 | 29,701 | **流動負債** | 9,067 | 13,209 |
| 現金預金 | 25,657 | 18,212 | **固定負債** | 21,506 | 11,285 |
| 売掛金 | 4,365 | 5,297 | | | |
| たな卸資産 | 3,097 | 5,215 | **負債合計** | 30,573 | 24,494 |
| その他流動資産 | 322 | 977 | **<純資産の部>** | | |
| **固定資産** | 27,600 | 20,999 | **資本金** | 1,500 | 4,500 |
| 有形固定資産 | 16,896 | 8,395 | **利益剰余金** | 28,968 | 21,706 |
| 無形固定資産 | 208 | 959 | | | |
| 投資その他の資産 | 10,496 | 11,645 | **純資産合計** | 30,468 | 26,206 |
| **資産合計** | 61,041 | 50,700 | **負債・純資産合計** | 61,041 | 50,700 |
### 損益計算書
自 令和 3 年 4 月 1 日
至 令和 4 年 3 月 31 日
(単位:万円)
| | D 社 | 同業他社 |
| :--------------------------- | :------ | :------- |
| **売上高** | 103,465 | 115,138 |
| **売上原価** | 41,813 | 78,543 |
| **売上総利益** | 61,652 | 36,595 |
| **販売費及び一般管理費** | | |
| 人件費 | 22,307 | 10,799 |
| 広告宣伝費 | 5,305 | 3,685 |
| 減価償却費 | 2,367 | 425 |
| 地代家賃 | 3,114 | 4,428 |
| 租税公課 | 679 | 559 |
| 外注費 | 3,095 | 1,124 |
| その他 | 9,783 | 4,248 |
| **販売費及び一般管理費合計** | 46,650 | 25,268 |
| **営業利益** | 15,002 | 11,327 |
| 営業外収益 | 1,810 | 247 |
| 営業外費用 | 302 | 170 |
| **経常利益** | 16,510 | 11,404 |
| 特別損失 | - | 54 |
| **税引前当期純利益** | 16,510 | 11,350 |
| **法人税等** | 4,953 | 3,405 |
| **当期純利益** | 11,557 | 7,945 |
## 第 1 問 (配点 25 点)
### (設問 1)
D 社と同業他社の財務諸表を用いて経営分析を行い、同業他社と比較して D 社 が優れていると考えられる財務指標を 2 つ、D 社の課題を示すと考えられる財務 指標を 1 つ取り上げ、それぞれについて、名称を(a)欄に、その値を(b)欄に記入せ よ。なお、優れていると考えられる指標を ①、② の欄に、課題を示すと考えられる 指標を ③ の欄に記入し、(b)欄の値については、小数点第 3 位を四捨五入し、単位を カッコ内に明記すること。また、解答においては生産性に関する指標を少なくとも 1 つ入れ、当該指標の計算においては「販売費及び一般管理費」の「その他」は含めない。
### (設問 2)
D 社が同業他社と比べて明らかに劣っている点を指摘し、その要因について財 務指標から読み取れる問題を 80 字以内で述べよ。
## 第 2 問 (配点 20 点)
D 社は、海外における中古自動車パーツの需要が旺盛であることから、大型の金 属積層造形 3D プリンターを導入した自動車パーツの製造・販売を計画している。こ の事業において D 社は、海外で特に需要の高い駆動系の製品 A と製品 B に特化して 製造・販売を行う予定であるが、それぞれの製品には次のような特徴がある。製品 A は駆動系部品としては比較的大型で投入材料が多いものの、構造が単純で人手に よる研磨・仕上げにさほど手間がかからない。一方、製品 B は小型駆動系部品であ り投入材料は少ないが、構造が複雑なため人手による研磨・仕上げに時間がかか る。また、製品 A、製品 B ともに原材料はアルミニウムである。
製品 A および製品 B に関するデータが次のように予測されているとき、以下の設 問に答えよ。
承知いたしました。画像の内容を文字起こしして、Markdown 形式で出力します。
#### 製品データ
| | 製品 A | 製品 B |
| :------------------------- | :----------- | :----------- |
| 販売価格 | 7,800 円/個 | 10,000 円/個 |
| 直接材料(400 円/kg) | 4 kg/個 | 2 kg/個 |
| 直接作業時間(1,200 円/h) | 2 h/個 | 4 h/個 |
| 共通固定費(年間) | 4,000,000 円 | 4,000,000 円 |
### (設問 1)
D 社では、労働時間が週 40 時間を超えないことや週休二日制などをモットーとしており、当該業務において年間最大直接作業時間は 3,600 時間とする予定である。このとき上記のデータにもとづいて利益を最大にするセールスミックスを計算し、その利益額を求め(a)欄に答えよ(単位:円)。また、(b)欄には計算過程を示すこと。
### (設問 2)
最近の国際情勢の不安定化によって原材料であるアルミニウム価格が高騰しているため、D 社では当面、アルミニウムに関して消費量の上限を年間 6,000kg とすることにした。設問 1 の条件とこの条件のもとで、利益を最大にするセールスミックスを計算し、その利益額を求め(a)欄に答えよ(単位:円)。また、(b)欄には計算過程を示すこと。
## 第 3 問(配点 35 点)
D 社は新規事業として、中古車の現金買取りを行い、さらに点検整備を施したうえで海外向けに販売する中古車販売事業について検討している。この事業では、取引先である現地販売店が中古車販売業務を行うため、当該事業のための追加的な販売スタッフなどは必要としない。
D 社が現地で需要の高い車種についてわが国での中古車買取価格の相場を調査したところ、諸経費を含めたそれらの取得原価は 1 台あたり平均 50 万円であった。それらの中古車は、現地販売店に聞き取り調査をしたところ、輸送コスト等を含めて D 社の追加的な費用負担なしに 1 台あたり 60 万円(4,800 ドル、想定レート:1 ドル=125 円)で現地販売店が買い取ると予測される。また、同業他社等の状況から中古車販売事業においては期首に中古車販売台数 1 か月分の在庫投資が必要であることもわかった。
D 社はこの事業において、初年度については月間 30 台の販売を計画している。
以下の設問に答えよ。
### (設問 1)
D 社は買い取った中古車の点検整備について、既存の廃車・事故車解体用工場に余裕があるため月間 30 台までは臨時整備工を雇い、自社で行うことができると考えている。こうした中、D 社の近隣で営業している自動車整備会社から、D 社による中古車買取価格の 2%の料金で点検整備業務を請け負う旨の提案があった。
点検整備を自社で行う場合の費用データは以下のとおりである。
#### 〈点検整備のための費用データ(1 台あたり)〉
| 費用 | 金額 |
| :--------- | :------- |
| 直接労務費 | 6,000 円 |
| 間接費 | 7,500 円 |
\*なお、間接費のうち、30%は変動費、70%は固定費の配賦額である。
このとき D 社は、中古車の買取価格がいくらまでなら点検整備を他社に業務委託すべきか計算し(a)欄に答えよ(単位:円)。また、(b)欄には計算過程を示すこと。なお、本設問では在庫に関連する費用は考慮しないものとする。
### (設問 2)
D 社が海外向け中古車販売事業の将来性について調査していたところ、現地販売店より D 社が販売している中古車種が当地で人気があり、将来的にも十分な需要が見込めるとの連絡があった。こうした情報を受けて D 社は、初年度においては月間 30 台の販売からスタートするが、2 年目以降は 5 年間にわたって月間販売台数 50 台を維持する計画を立てた。
この計画において D 社は、月間 50 台の販売台数が既存工場の余裕キャパシティを超えることから、中古車販売事業 2 年目期首に稼働可能となる工場の拡張について検討を始めた。D 社がこの拡張について情報を収集したところ、余裕キャパシティを超える 20 台の点検整備を行うためには、建物および付属設備について設備投資額 7,200 万円の投資が必要になることがわかった。また、これに加えて今後拡張される工場での点検整備のために、新たな整備工を正規雇用することにした。この結果、工場拡張によって増加する 20 台の中古車にかかる 1 台あたりの点検整備費用は、直接労務費が 10,000 円、間接費が 4,500 円(現金支出費用であり、工場拡張によって増加する減価償却費は含まない)になる。
この工場拡張に関する投資案について、D 社はまず回収期間(年)を検討することにした。回収期間を求めるにあたって D 社は、中古車の買取りと販売は現金でなされ、平均仕入価格や販売価格は今後も一定であると仮定した。なお、設備投資額と在庫投資の増加額は新規の工場が稼働する 2 年目期首にまとめて支出されることとなっている。また、D 社の全社的利益(課税所得)は今後も黒字であることが予測されており、税率は 30%とする。
上記の条件と下記の設備投資に関するデータにもとづいて、この投資案の年間キャッシュフロー(初期投資額は含まない)を計算し(a)欄に答えよ(単位:円)。また、(b)欄には計算過程を示すこと。さらに、(c)欄には(a)欄で求めた年間キャッシュフローを前提とした回収期間を計算し、記入せよ(単位:年)。なお、解答においては小数点第 3 位を四捨五入すること。
#### 〈設備投資に関するデータ〉
| 概要 | 費用や期間 |
| :--------- | :--------------- |
| 設備投資額 | 7,200 万円 |
| 耐用年数 | 15 年 |
| 減価償却法 | 定額法 |
| 残存価額 | 初期投資額の 10% |
### (設問 3)
D 社は、工場拡張に関する投資案について回収期間に加えて正味現在価値法によっても採否の検討を行うことにした。当該投資案の正味現在価値を計算するにあたり、当初 5 年間は月間 50 台を販売し、その後は既存工場の収益性に鑑みて、当該拡張分において年間 150 万円のキャッシュフローが継続的に発生するものとする。また、5 年間の販売期間終了後には増加した在庫分がすべて取り崩される。この条件のもとで当該投資案の投資時点における正味現在価値を計算し(a)欄に答えよ(単位:円)。また、(b)欄には計算過程を示すこと。
なお、毎期のキャッシュフロー(初期投資額は含まない)は期末に一括して発生するものと仮定し、割引率は 6%で以下の係数を用いて計算すること。また、解答においては小数点以下を四捨五入すること。
| 項目 | 係数 |
| :------------------- | :----- |
| 複利現価係数(5 年) | 0.7473 |
| 年金現価係数(5 年) | 4.2124 |
## 第 4 問(配点 20 点)
D 社が中古車販売事業を実行する際に考えられるリスクを財務的観点から 2 点指摘し、それらのマネジメントについて 100 字以内で助言せよ。
# 令和 4 年度(2022 年度)事例 Ⅳ 解答解説
## 第 1 問 (配点 25 点)
### (設問 1)
#### ①:優れている指標
- (a) **売上高総利益率**
- (b) **59.59 (%)**
(計算過程: 61,652 ÷ 103,465 $\times$ 100 = 59.585...)
#### ②:優れている指標
- (a) **流動比率**
- (b) **368.79 (%)**
(計算過程: 33,441 ÷ 9,067 $\times$ 100 = 368.787...)
#### ③:課題を示す指標
- (a) **労働生産性**
- (b) **820.17 (万円/人)**
(計算過程: 付加価値額 43,469 万円 ÷ 53 人 = 820.169...)
( **日銀方式** ※付加価値額=経常利益+人件費+支払利息-受取利息+地代家賃+租税公課+減価償却費)
#### 別解:優れている指標 (安全性)
- (a) **当座比率**
- (b) **334.66 (%)**
- **計算**:
- D 社: (流動資産 33,441 - 棚卸資産 3,097) ÷ 流動負債 9,067 $\times$ 100 = 334.66...
- 同業他社: (29,701 - 5,215) ÷ 13,209 $\times$ 100 = 185.37...
- **評価**: 流動比率よりも厳しく短期支払能力を測る当座比率においても、D 社は同業他社を圧倒しており、極めて高い安全性を示している。
#### 別解:優れている指標 (効率性)
- (a) **棚卸資産回転率**
- (b) **33.41 (回)**
- **計算**:
- D 社: 売上高 103,465 ÷ 棚卸資産 3,097 = 33.408...
- 同業他社: 売上高 115,138 ÷ 棚卸資産 5,215 = 22.078...
- **評価**: 売上高を基準にすると、D 社は同業他社より効率的に在庫を販売に繋げていると評価できる。
### 別解:課題を示す指標
- (a) **労働生産性**
- (b) **748.60 (万円/人)**
- **計算**:
- 付加価値額 = 営業利益 + 人件費 + 減価償却費
- D 社: (15,002 + 22,307 + 2,367) = 39,676 万円
- 労働生産性 = 39,676 万円 ÷ 53 人 = 748.603...
- 同業他社: (11,327 + 10,799 + 425) = 22,551 万円
- 労働生産性 = 22,551 万円 ÷ 23 人 = 980.478...
- **評価**: より簡便な **中小企業庁方式** で計算した場合でも、D 社の労働生産性は同業他社を下回っており、課題であることがわかる。
* (a) **一人当たり売上高**
* (b) **1,952.17 (万円/人)**
* **計算**:
- D 社: 売上高 103,465 万円 ÷ 53 人 = 1,952.169...
- 同業他社: 売上高 115,138 万円 ÷ 23 人 = 5,006.00...
* **評価**: 最も簡易的な生産性指標である一人当たり売上高で比較すると、D 社は同業他社の 4 割にも満たない水準である。これは、設問 2 で分析した「労働集約型」のビジネスモデルが要因であり、生産性が低いという課題を明確に示している。
---
### (設問 2)
D 社が同業他社と比べて明らかに劣っている点を指摘し、その要因について財 務指標から読み取れる問題を 80 字以内で述べよ。
### 回答例(76 字)
**労働生産性の低さが課題である。労働集約的な中古パーツ事業は多くの固定資産を要し、高単価な中古車販売を行う同業他社比で有形固定資産回転率が低いためである。**
### 解説
- **問題文の該当箇所**
- 与件文: 「D 社の事業はこれまで廃車・事故車から回収される中古パーツのリュース・リサイクルによる販売が中心であった。」
- 与件文: 「中古車販売事業のウェイトを置く同業他社も近年大きく業績を伸ばしている」
- 財務諸表(有形固定資産、売上高、従業員数)
- **答案作成の根拠**
D 社の財務上の課題を、その**ビジネスモデルと財務指標を関連付けて**分析する。
1. **劣っている点(結論)**:
設問 1 の分析の通り、D 社の最も大きな課題は**労働生産性の低さ**である。従業員一人当たりが生み出す付加価値が同業他社に比べて著しく低い状況である。
2. **要因分析(ビジネスモデル)**:
この生産性の低さは、D 社の事業構造そのものに起因する。
- **D 社の事業**: 与件文から、D 社は**中古パーツのリユース・リサイクル**が中心である。この事業は、自動車の解体、部品の洗浄・整備、在庫管理といった多くの工程を必要とし、手間がかかる**労働集約型**のビジネスである。また、個々のパーツは中古車本体に比べて**単価が低い**と推測される。
- **同業他社の事業**: 一方、同業他社は**中古車販売**に重点を置いている。中古車は**単価が高く**、少ない販売台数でも大きな売上を上げることが可能である。
3. **財務指標による裏付け**:
このビジネスモデルの違いが、財務指標、特に資産効率に明確に表れている。
- 中古パーツ事業は、解体や整備のための広大な土地や機械設備(=**有形固定資産**)を多く必要とする。実際に D 社の有形固定資産は 16,896 万円と、同業他社(8,395 万円)の約 2 倍である。
- しかし、売上高は同業他社を下回っている。この結果、資産がどれだけ効率的に売上を生み出したかを示す**有形固定資産回転率**に大きな差が生まれる。
- **有形固定資産回転率の計算**:
- D 社: 103,465 ÷ 16,896 ≒ **6.12 回転**
- 同業他社: 115,138 ÷ 8,395 ≒ **13.71 回転**
- **考察**:
D 社は同業他社の 2 倍の設備を持ちながら、その効率性は半分以下である。これは、労働集約的で低単価な商品を扱うビジネスモデルでは、多くの固定資産を投下しても、それに見合った売上を上げることが構造的に難しいことを示している。この資産効率の悪さが、結果として従業員一人当たりの稼ぐ力、すなわち**労働生産性の低さ**に直結しているのである。
- **使用した経営学の知識**
- **ビジネスモデル分析**: 企業の事業活動の仕組み(誰に、何を、どのように提供し、どう収益を上げるか)を分析すること。ビジネスモデルの違いが財務数値に与える影響を理解することは、経営分析の基本である。
- **労働集約型事業**: 資本(設備など)よりも労働力への依存度が高い事業モデル。一般的に、一人当たり売上高や労働生産性の向上が経営課題となりやすい特徴がある。
- **有形固定資産回転率**: 売上高を有形固定資産で割って算出する効率性指標。この率が高いほど、少ない固定資産で効率よく売上を上げていることを意味する。
## 第 2 問 (配点 20 点)
### (設問 1)
D 社では、労働時間が週 40 時間を超えないことや週休二日制などをモットーとしており、当該業務において年間最大直接作業時間は 3,600 時間とする予定である。このとき上記のデータにもとづいて利益を最大にするセールスミックスを計算し、その利益額を求め(a)欄に答えよ(単位:円)。また、(b)欄には計算過程を示すこと。
#### (a)利益額:
**2,840,000 (円)**
#### (b) 計算過程(答案用紙用)
- 製品 A の貢献利益= 7,800-(4×400 + 2×1,200)= 3,800 円
- 製品 B の貢献利益= 10,000-(2×400 + 4×1,200)= 4,400 円
- 時間当たり貢献利益は A = 1,900 円、B = 1,100 円で A を優先。
- 3,600h÷2 = 1,800 個生産し、貢献利益= 1,800×3,800 = 6,840,000 円。
- 最大利益= 6,840,000-4,000,000 = 2,840,000 円。
#### (b) 計算過程(解説用)
1. **各製品の貢献利益を計算する。**
- 製品 A 変動費 = 4kg × 400 円/kg + 2h × 1,200 円/h = 4,000 円
- 製品 A 貢献利益 = 7,800 円 - 4,000 円 = 3,800 円/個
- 製品 B 変動費 = 2kg × 400 円/kg + 4h × 1,200 円/h = 5,600 円
- 製品 B 貢献利益 = 10,000 円 - 5,600 円 = 4,400 円/個
2. **制約条件である直接作業時間 1 時間あたりの貢献利益を計算し、優先順位を決定する。**
- 製品 A: 3,800 円/個 ÷ 2h/個 = 1,900 円/h
- 製品 B: 4,400 円/個 ÷ 4h/個 = 1,100 円/h
- 時間あたり貢献利益が大きい製品 A を優先して生産する。
3. **最適なセールスミックスと最大利益を計算する。**
- 製品 A の最大生産量: 3,600h ÷ 2h/個 = 1,800 個
- 製品 B の生産量: 0 個
- 最大貢献利益 = 1,800 個 × 3,800 円/個 = 6,840,000 円
- 最大利益 = 6,840,000 円 - 4,000,000 円 (共通固定費) = 2,840,000 円
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### (設問 2)
最近の国際情勢の不安定化によって原材料であるアルミニウム価格が高騰しているため、D 社では当面、アルミニウムに関して消費量の上限を年間 6,000kg とすることにした。設問 1 の条件とこの条件のもとで、利益を最大にするセールスミックスを計算し、その利益額を求め(a)欄に答えよ(単位:円)。また、(b)欄には計算過程を示すこと。
#### (a) 利益額
**2,200,000 (円)**
#### (b) 計算過程(答案用紙用)
- Z = 3,800x + 4,400y を最大化、制約:2x + 4y≦3,600、4x + 2y≦6,000、x,y≧0。
- 連立(2x + 4y = 3,600, 4x + 2y = 6,000)より y = 200、x = 1,400。
- 可行域内での最適点は交点(x,y)=(1,400,200)。
- 最大貢献利益= 3,800×1,400 + 4,400×200 = 6,200,000 円。
- 最大利益= 6,200,000-4,000,000 = 2,200,000 円。
#### (b) 計算過程(解説用)
1. **利益を最大化する問題として定式化する。**
- 製品 A の生産量を x、製品 B の生産量を y とする。
- 目的関数(貢献利益の最大化): Z = 3,800x + 4,400y
- 制約条件:
1. 直接作業時間: 2x + 4y ≦ 3,600
2. 材料消費量: 4x + 2y ≦ 6,000
3. 非負条件: x ≧ 0, y ≧ 0
2. **制約条件の連立方程式を解き、最適な生産量を求める。**
2 つの制約が同時に満たされる交点が、両方の資源を無駄なく使い切る生産量となる。
- 2x + 4y = 3,600 --- (1)
- 4x + 2y = 6,000 --- (2)
(2)を 2 倍して 8x + 4y = 12,000 --- (2)'
(2)'から(1)を引くと、6x = 8,400 ∴ x = 1,400
x=1,400 を(1)に代入すると、2(1,400) + 4y = 3,600 → 2,800 + 4y = 3,600 → 4y = 800 ∴ y = 200
3. **最適なセールスミックス(製品 A: 1,400 個, 製品 B: 200 個)における最大利益を計算する。**
- 最大貢献利益 = 3,800 円/個 × 1,400 個 + 4,400 円/個 × 200 個
= 5,320,000 円 + 880,000 円 = 6,200,000 円
- 最大利益 = 6,200,000 円 - 4,000,000 円 (共通固定費) = 2,200,000 円
---
## 第 3 問(配点 35 点)
### (設問 1)
D 社は、中古車の買取価格がいくらまでなら点検整備を他社に業務委託すべきか計算し(a)欄に答えよ(単位:円)。また、(b)欄には計算過程を示すこと。なお、本設問では在庫に関連する費用は考慮しないものとする。
### 回答例
#### (a) 買取価格
**412,500 (円)**
#### (b) 計算過程(答案用紙用)
- 関連原価(内製)= 6,000 + 7,500×30%= 8,250 円(固定費配賦は埋没原価として除外)。
- 関連原価(外注)= 0.02P。
- 無差別点:8,250 = 0.02P → P = 412,500 円。
- 結論:P≤412,500 円なら外注の方が安く業務委託を選択。
- P > 412,500 円なら自社製造が有利。
#### (b) 計算過程(解説用)
1. **意思決定に関連するコスト(関連原価)を整理する。**
- **自社製造の場合の関連原価(1 台あたり)**:
- 直接労務費: 6,000 円
- 変動間接費: 7,500 円 × 30% = 2,250 円
- 固定費配賦額は、自社製造の有無にかかわらず発生する埋没原価(サンクコスト)のため、意思決定から除外する。
- 合計: 6,000 円 + 2,250 円 = 8,250 円
- **外注の場合の関連原価(1 台あたり)**:
- 中古車買取価格を P とすると、P × 2%
2. **両者のコストが等しくなる点(無差別点)を計算する。**
自社製造コストと外注コストが等しくなる買取価格 P を求める。
- 8,250 = P × 0.02
- P = 8,250 ÷ 0.02 = 412,500
3. **結論**
買取価格が 412,500 円のとき、自社製造コストと外注コストが等しくなる。したがって、買取価格が 412,500 円までであれば、外注コストが自社製造コスト以下となるため、業務委託すべきである。
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### (設問 2)
この投資案の年間キャッシュフロー(初期投資額は含まない)を計算し(a)欄に答えよ(単位:円)。また、(b)欄には計算過程を示すこと。さらに、(c)欄には(a)欄で求めた年間キャッシュフローを前提とした回収期間を計算し、記入せよ(単位:年)。なお、解答においては小数点第 3 位を四捨五入すること。
### 回答例
#### (a) 年間キャッシュフロー
**15,660,000 (円)**
#### (b) 計算過程(答案用紙用)
- 売上増= 600,000×240 = 144,000,000
- 費用増= 500,000×240 +(10,000 + 4,500)×240 = 123,480,000
- 減価償却費=(72,000,000-10%×72,000,000)÷15 = 4,320,000
- 税引後利益= 144,000,000-123,480,000-4,320,000 = 16,200,000→ 税 30%= 4,860,000→11,340,000
- 年間 CF =税引後利益 11,340,000 +減価償却費 4,320,000 = 15,660,000
#### (b) 計算過程(解説用)
(単位:円)
1. **増加収益・費用(年間)の計算(対象:増加する月 20 台 ×12 ヶ月= 240 台)**
- 売上増加額: 600,000/台 × 240 台 = 144,000,000
- 現金支出費用の増加額:
- 取得原価: 500,000/台 × 240 台 = 120,000,000
- 点検整備費: (10,000 + 4,500)/台 × 240 台 = 3,480,000
- 合計: 120,000,000 + 3,480,000 = 123,480,000
2. **減価償却費(年間)の計算**
- (72,000,000 - 72,000,000 × 10%) ÷ 15 年 = 4,320,000
3. **税引後利益の計算**
- 税引前利益 = 売上増 - 費用増 - 減価償却費
= 144,000,000 - 123,480,000 - 4,320,000 = 16,200,000
- 法人税等 = 16,200,000 × 30% = 4,860,000
- 税引後利益 = 16,200,000 - 4,860,000 = 11,340,000
4. **年間キャッシュフローの計算**
- 税引後利益 + 減価償却費 = 11,340,000 + 4,320,000 = 15,660,000
#### (c) 回収期間
**5.24 (年)**
- **計算過程(解説用)**
1. **初期投資額の計算**
- 設備投資額: 72,000,000
- 在庫投資増加額: 500,000/台 × (50 台 - 30 台) = 10,000,000
- 総投資額: 72,000,000 + 10,000,000 = 82,000,000
2. **回収期間の計算**
- 総投資額 ÷ 年間キャッシュフロー = 82,000,000 ÷ 15,660,000 ≒ 5.2362...
- 小数点第 3 位を四捨五入して 5.24 年
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### (設問 3)
当該投資案の投資時点における正味現在価値を計算し(a)欄に答えよ(単位:円)。また、(b)欄には計算過程を示すこと。
### 回答例
#### (a) 正味現在価値
**2,694,555 (円)**
#### (b) 計算過程(答案用紙用)
- 初期投資(2 年目期首)= −8,200(万円)
- 2〜6 年 CF の現在価値= 1,566×4.2124 = 6,596.6184、在庫回収 PV = 1,000×0.7473 = 747.3
- 7〜11 年 CF PV =(150×4.2124)×0.7473 = 472.1890、12〜16 年 CF PV =…×0.7473² = 352.8668、残存価額 PV = 720×0.7473³ = 300.4813
- PV 合計= 6,596.6184 + 747.3 + 472.1890 + 352.8668 + 300.4813 = 8,469.4555(万円)
- NPV = 8,469.4555−8,200 = 269.4555(万円)= 2,694,555 円
#### (b) 計算過程(解説用)
本投資案の評価期間を設備の耐用年数である 15 年間とし、投資開始時点(2 年目期首)の正味現在価値を以下の通り計算する。
(単位:万円)
1. **初期投資額(2 年目期首)**
- 設備投資+在庫投資 = 7,200 + (50 × 20) = **-8,200**
2. **2 年目期首〜6 年目末の CF の現在価値(5 年間)**
- 設問 2 で算出した年間 CF 1,566 万円が 5 年間継続する。
- PV = 1,566 × 4.2124 (5 年年金現価係数) = **6,596.6184**
3. **在庫投資の回収額の現在価値(6 年目末)**
- 問題文の「5 年間の販売期間終了後」は 2 年目期首から 5 年後、つまり 6 年目末と解釈する。
- PV = 1,000 × 0.7473 (5 年複利現価係数) = **747.3**
4. **7 年目期首〜16 年目末の CF の現在価値(残り 10 年間)**
- 年間 CF 150 万円が設備の残存耐用年数である 10 年間(7 年目〜16 年目)発生すると解釈し、これを 5 年ごとの年金に分けて計算する。
- **7 年目〜11 年目末の CF の PV**:
(150 × 4.2124) × 0.7473 (5 年後の価値を現在価値に割引) = **472.1890**
- **12 年目〜16 年目末の CF の PV**:
(150 × 4.2124) × 0.7473² (10 年後の価値を現在価値に割引) = **352.8668**
5. **設備の残存価額の現在価値(16 年目末)**
- 耐用年数 15 年経過後(16 年目末)に、簿価である残存価額 720 万円が回収されると仮定する。
- PV = 720 × 0.7473³ (15 年後の価値を現在価値に割引) = **300.4813**
6. **正味現在価値(NPV)の合計**
- NPV = (②+③+④+⑤) - ①
- NPV = (6,596.6184 + 747.3 + 472.1890 + 352.8668 + 300.4813) - 8,200
- NPV = 8,469.4555 - 8,200 = 269.4555 万円
- 円単位(小数点以下四捨五入)に変換して **2,694,555 円**
## 第 4 問(配点 20 点)
D 社が中古車販売事業を実行する際に考えられるリスクを財務的観点から 2 点指摘し、それらのマネジメントについて 100 字以内で助言せよ。
### 回答例(91 字)
**リスクは ① 円高進行による為替変動リスク、② 中古車相場下落による在庫評価損リスクである。対策として ① は為替予約で収益を確定させ、② は適正在庫管理と迅速な販売で価値毀損を防ぐべきである。**
### 解説
- **問題文の該当箇所**
- 「中古車販売事業が当面、海外市場を中心とする」
- 「中古車の現金買取りを行い」「期首に中古車販売台数 1 か月分の在庫投資が必要」
- 「ノウハウが不足していることなどからリスクマネジメントが重要」
- **答案作成の根拠**
与件文から、新規事業に伴う財務的リスクを抽出し、それに対する具体的な管理策を提示する。
1. **リスクの特定(財務的観点)**
- **為替変動リスク**: 与件文に「海外市場をメインターゲット」「1 ドル=125 円」とあることから、売上が外貨建てであることがわかる。仕入は円建てのため、想定よりも円高が進むと円ベースでの手取りが減少し、収益性が悪化する。これは財務諸表に直接影響を与える重要なリスクである。
- **在庫リスク**: 中古車は時価の変動が激しい商品である。「現金買取り」で先行投資し、「在庫投資」が必要なため、販売までに相場が下落すると仕入価格を割り込み、損失(評価損)を被るリスクがある。これも直接的に収益と資産価値に影響する。
2. **マネジメント(対策)の検討**
- **為替変動リスクに対して**: 金融派生商品(デリバティブ)である**為替予約**を活用するのが最も直接的かつ確実な対策である。将来の特定の期日に特定の為替レートで外貨を売却する契約を銀行と結ぶことで、為替レートを固定し、収益を確定させることができる。
- **在庫リスクに対して**: 在庫の価値が下落する前に売り切ることが重要である。そのためには、市場動向を注視し、需要予測の精度を高め、**適正な在庫水準を維持**すること(過剰在庫を避ける)、そして売れ行きが悪い場合は値下げなども含めて**迅速に販売**することが求められる。
- **使用した経営学の知識**
- **リスクマネジメント**: 企業経営を取り巻く様々なリスクを特定・分析・評価し、それらに対する最適な対応策(回避、低減、移転、保有)を計画・実行する一連のプロセス。
- **為替変動リスク**: 外貨建ての資産や負債を保有すること、または外貨建ての取引を行うことによって、為替相場の変動により損失を被る可能性。
- **在庫管理**: 製品や商品の在庫を、欠品による機会損失と過剰在庫によるコスト増加のバランスを取りながら、最適な水準に維持するための管理活動。
## AI への指示
あなたは、中小企業診断士二次試験(事例 Ⅳ:財務・会計)の採点官です。二次試験は上位 18%しか合格できない難関試験です。そのため、上位 10%に入れるように厳しく添削してください。
**評価の基本方針**
- **模範解答は絶対的な正解ではなく、あくまで高得点答案の一例として扱います。**
- あなたの解答の評価は、第一に**与件文の記述・数値と設問要求に忠実であるか**、第二に**中小企業診断士としての一貫した論理が展開できているか**を最優先の基準とします。
**【記述問題の評価方針】**
- 模範解答とは異なる切り口や着眼点であっても、それが与件文に根拠を持ち、論理的に妥当であれば、その**独自の価値を積極的に評価**してください。
- 模範解答は、比較対象として「こういう切り口・要素もある」という**視点を提供するもの**として活用し、あなたの解答との優劣を単純に比較するのではなく、多角的な分析のために使用してください。
**【計算問題の評価方針】**
- 計算問題は、**最終的な計算結果**だけでなく、そこに至る**計算過程(プロセス)**を重視して評価します。
- **【計算過程スキップの例外】**
- ただし、あなたの回答において `(b)計算過程 スキップ`(あるいは `#### (b)計算過程 スキップ` など、スキップの意図が明確な記載)がされている場合に限り、**(a) の計算結果のみを評価対象とします。**
- この場合、計算結果が正しければ計算過程も正しかったものとみなし、計算結果が間違っていれば計算過程にも誤りがあったものとして評価します(詳細な部分点評価は行いません)。
- **【計算過程の記載がある場合】**
- たとえ最終的な数値が間違っていても、計算の**基本的な考え方**、**立式**、**使用した数値(与件文からのピックアップ)**が正しければ、**部分点を加点**する視点で評価します。
- **【共通事項】**
- **第 1 問設問 1**の財務分析指標の選択のように、**複数の正解(別解)が想定される場合**は、模範解答と異なっていても、与件文から妥当性が読み取れれば正解として評価します。
- **CVP**や**NPV**など、解法がほぼ一意に決まる問題は、**標準的な解法ステップ**を踏めているかを確認します。(※スキップの場合は結果から推定します)
上記の基本方針に基づき、以下の入力情報と評価基準に従って、**60 点の合格ラインを安定して超えることを目的とした現実的な視点**で私の解答を添削してください。**加点できそうなポイントと、失点を防ぐべきポイント**をバランス良く指摘してください。
評価は点数ではなく、下記の**ABCDEF 評価基準**に沿って行ってください。
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### ABCDEF 評価基準
- **A 評価 (完璧 / 80 点以上):** 設問要求を完全に満たし、複数の重要な根拠を的確に網羅している。論理構成・計算過程が極めて明快で、非の打ちどころがないレベル。
- **B 評価 (高得点レベル / 70 点〜79 点):** 設問要求に的確に応え、重要な根拠を複数盛り込んでいる。論理構成・計算過程が明快な、上位合格答案レベル。
- **C 評価 (合格レベル / 60 点〜69 点):** 設問の主要な要求を満たしており、大きな論理的破綻や計算ミスがない。安定して合格点をクリアできるレベル。
- **D 評価 (合格ボーダーライン / 55 点〜59 点):** 解答の方向性は合っているが、根拠の不足やケアレスミスが散見される。合否が分かれるレベル。
- **E 評価 (要改善レベル / 50 点〜54 点):** 解答の方向性に部分的な誤りがあるか、根拠が著しく不足している。計算の前提条件を誤解している。合格には改善が必要なレベル。
- **F 評価 (不合格レベル / 49 点以下):** 設問の意図の誤解や、与件文の無視など、根本的な改善が必要なレベル。
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### 入力情報
与件文、設問文、出題の趣旨、解説、あなたの回答を参照してください。
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### 出力項目
以下の形式で、詳細なフィードバックをお願いします。
冒頭で `ABCDEF 評価基準`の定義を説明します。
**1. 設問ごとの添削**
**模範解答(比較参考用)**
`回答例と解説`の回答例(計算問題の場合は(a)解答欄と(b)計算過程)を出力してください。
**あなたの回答**
模範回答との比較用にあなたの回答を掲載してください。
- **評価:** この設問の評価を **A / B / C / D / E / F** で端的に示してください。
- **フィードバック:**
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**【計算問題の場合】 (例:第 1 問設問 1、第 2 問、第 3 問)**
- **① 計算結果の正誤:**
最終的な数値、単位(円、千円、基など)、端数処理(切り上げ、四捨五入など)は設問要求通りで、模範解答と一致しているか。
- **② 計算過程(プロセス)の評価:**
- **【計算過程の記載がある場合】**
- **立式・アプローチ:** 問題を解くための基本的な考え方(CVP、NPV、LP、財務指標の定義など)は正しいか。
- **数値のピックアップ:** 与件文や資料から、計算に必要な数値を正しく(漏れなく、間違えなく)引用できているか。(例: NPV 計算での機会費用、運転資本、設備売却益の税金計算など)
- **計算の正確性:** 途中の計算ステップにミスはないか。
- **【計算過程が `スキップ` の場合】**
- **(a) 計算結果の正誤に基づき、本項目も評価します。**
- (a) が正解の場合:計算過程も正しかったものとみなし、高い評価(A または B 評価相当)とします。
- (a) が不正解の場合:計算過程のいずれかのステップ(立式、数値ピックアップ、計算正確性)に誤りがあったものとみなし、評価を下げます。この場合、具体的な誤り箇所の特定は行いませんが、推定される原因を「④ 改善提案」で指摘します。
- **③ 指標選択の妥当性 (第 1 問設問 1 のみ):**
模範解答と異なる指標を選択した場合、その指標が D 社の特徴(優れている点・劣っている点)を示す上で妥当か、与件文から根拠を見いだせるか(別解として成立するか)を評価する。
- **④ 改善提案(失点・部分点分析):**
- **失点箇所:** どこで間違えたか(数値の誤用、立式の誤り、計算ミス、端数処理ミスなど)を具体的に指摘する。(※ `スキップ` されていて結果が不正解の場合、推定される誤りの原因を指摘します)
- **部分点獲得可能性:** 「ここまでは合っているので、配点〇点中 △ 点は期待できる」という視点で評価する。(※ `スキップ` の場合は適用されません)
- **改善点:** 次に同じミスをしないために、どの数値に着目すべきか、どの公式を確認すべきかを具体的にアドバイスする。
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**【記述問題の場合】 (例:第 1 問設問 2、第 4 問)**
- **① 設問解釈と方向性:**
設問の意図(問われていること)を正しく捉えられているか。解答の方向性は適切か。
- **② 与件文・財務諸表の活用:**
解答の根拠として、与件文中のどの記述(SWOT)や、どの財務数値(計算した指標など)を効果的に使えているか。根拠の抽出漏れや解釈の間違いはないか。
- **③ 知識と論理構成:**
診断士としての財務・会計知識を適切に応用できているか。「A(財務状況)だから B(助言)」という因果関係は明確で、論理に飛躍はないか。
- **④ 具体性と表現:**
抽象論に終始せず、D 社の状況に合わせた具体的な記述ができているか。設問の字数制限(例: 80 字)の中で、要点を簡潔にまとめられているか。
- **⑤ 改善提案:**
どうすれば A・B 評価の解答に近づけるか、**「どの与件文(または財務指標)のこの部分を使い、このように論理を展開すべきだった」**というように、具体的かつ実践的な改善案を提示してください。
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**2. 総評**
- **総合評価:** 全ての設問を考慮した最終評価を **A / B / C / D / E / F** で示してください。
- **全体を通しての強み:** 今後の学習でも活かすべき、あなたの解答の良い点(計算の正確性、与件文の読み取り、論理構成など)を挙げてください。
- **全体を通しての課題:** 合格のために、最も優先的に改善すべき点(ケアレスミス、時間配分、特定の分野の知識不足など)を指摘してください。
- **合格に向けたアドバイス:** 今後の学習方針について、特に事例 Ⅳ の学習(計算練習、過去問演習の方法など)について具体的なアドバイスをお願いします。
# あなたの回答
**スキップ機能について** 計算過程の記載が求められる設問((b)計算過程)において、「スキップ」と記載した場合、(a) の計算結果(解答)のみをもって採点されます。計算結果が正しければ計算過程も正しかったものとみなし、結果が誤っていれば過程も誤っていたものとして評価されます(部分点評価は行われません)。
# あなたの回答
**スキップ機能について**
計算過程の記載が求められる設問((b)計算過程)において、「スキップ」と記載した場合、(a) の計算結果(解答)のみをもって採点されます。計算結果が正しければ計算過程も正しかったものとみなし、結果が誤っていれば過程も誤っていたものとして評価されます(部分点評価は行われません)。
# あなたの回答
## 第 1 問(配点 25 点)
### (設問 1)
#### ①:優れている指標
- (a)
- (b) (単位:)
#### ②:優れている指標
- (a)
- (b) (単位:)
#### ③:課題を示す指標
- (a)
- (b) (単位:)
### (設問 2)(80 字以内)
## 第 2 問(配点 20 点)
### (設問 1)
#### (a) 利益額
(円)
#### (b) 計算過程
スキップ
### (設問 2)
#### (a) 利益額
(円)
#### (b) 計算過程
スキップ
## 第 3 問(配点 35 点)
### (設問 1)
#### (a) 買取価格
(円)
#### (b) 計算過程
スキップ
### (設問 2)
#### (a) 年間キャッシュフロー
(円)
#### (b) 計算過程
スキップ
#### (c) 回収期間
(年)
### (設問 3)
#### (a) 正味現在価値(NPV)
(円)
#### (b) 計算過程
スキップ
## 第 4 問(配点 20 点)(100 字以内)