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令和 7 年度(2025 年度)事例 Ⅱ 解答解説

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令和 7 年度添削プロンプトリンク

事例 Ⅰ事例 Ⅱ事例 Ⅲ事例 Ⅳ

令和 7 年度解答解説リンク

事例 Ⅰ事例 Ⅱ事例 Ⅲ事例 Ⅳ

第 1 問(配点 15 点)

設問文

B 社の現状について、3C 分析の観点から 150 字以内で述べよ。

回答例(146 字)

顧客はアスリートや本格施術を望む一般層・学生である。競合は保険適用の接骨院や格安マッサージ店など多様で競争が激しい。自社は ①Z 社出身の社長と専門性ある従業員の高い技術力 ② トップアスリートからの高評価 ③ 大学運動部との契約を強みとする。一方、リピーター不足や顧客情報活用、予約の偏在が課題である。

解説

  • 問題文の該当箇所

    • 与件文全体。
    • 顧客:「アスリートを対象」「部活動をしている中高生や大学生、一般の顧客」「本格的な施術を受けたい顧客」
    • 競合:「地域に密着した接骨院(保険診療)」「大規模な接骨院」「格安マッサージ店」「カイロプラクティック」「整体院」
    • 自社(強み):「(従業員 4 名が)スポーツ競技別に専門性を有していて、各競技でのトレーナー経験を持っている」「社長が求める高い技術水準を維持」「(社長が)Z 社へ就職し」「クオリティの高いマッサージの手技」「『心のしこりも揉みほぐす』という評価」「有名トップアスリートが来店」「大学のトレーナーに選ばれている」
    • 自社(課題):「リピーターにならず来店頻度が低い」「必要な顧客情報がうまく蓄積できず」「予約が取りづらい時間と空きが出る時間」
  • 答案作成の根拠 設問の指示通り、B 社の現状を「3C 分析」の観点(Customer: 顧客・市場、Competitor: 競合、Company: 自社)で整理する。

    1. Customer(顧客): 与件文から、主力の「アスリート」層に加え、新規に取り込みたい「一般顧客(本格志向)」「学生」層を抽出する。
    2. Competitor(競合): 保険診療の接骨院、低価格の格安店、その他の整体院など、多様な競合が存在し、競争が厳しい状況を指摘する。
    3. Company(自社): 自社の強み(Z 社出身の社長の高い技術力、競技・トレーナー経験を持つ専門性の高い従業員、著名人や大学からの信頼)と、弱み(リピーター不足、情報蓄積不足、予約の偏りといった課題)の両面を要約して記述する。
  • 使用した経営学の知識

    • 3C 分析: 経営戦略の策定において、外部環境(顧客・市場、競合)と内部環境(自社)を分析するフレームワーク。

第 2 問(配点 25 点)

設問文

B 社の営業時間は、平日 9 時から 21 時までである。このうち、顧客が施術を受ける時間は 18 時から 21 時までに集中していて、混雑時間と空き時間ができている。B 社は、この問題をターゲット層を意識した価格戦略によって解決したいと考えている。どのように対応すべきか、100 字以内で助言せよ。

回答例(100 字)

ターゲットは日中に来店可能な一般顧客や大学生とする。施策は、彼らを対象に閑散時間(9 ~ 18 時)限定の割引価格を設定する。これにより 18 時以降の混雑時間からの顧客誘導を促し、ベッド稼働率の平準化を図る。

解説

  • 問題文の該当箇所

    • 「顧客が施術を受ける時間は 18 時から 21 時までに集中していて、混雑時間と空き時間ができている」
    • 「ターゲット層を意識した価格戦略によって解決したい」
    • 与件文:「部活動をしている中高生や大学生、一般の顧客」
  • 答案作成の根拠 課題は「需要の偏在(特定の時間に集中)」であり、解決策は「価格戦略」と指定されている。

    1. 需要の平準化: サービス業において、需要の偏在は機会損失(空き時間)と顧客満足度低下(混雑)を招く。対策は、空いている時間帯(オフピーク)の価格を下げ、需要を誘導することである。
    2. ターゲット: 平日日中(9 ~ 18 時)に来店可能なターゲット層を想定する。与件文のターゲット層のうち、主婦などの「一般顧客」や、授業の合間に時間を作れる「大学生」「中高生(土曜など)」が該当する。
    3. 価格戦略: これらのターゲット層に対し、「オフピーク割引」や「学生割引」といった閑散時間帯限定の割引価格を設定する。
    4. 目的: これにより、混雑時間帯の需要を閑散時間帯へ分散させ、ベッドの稼働率を平準化し、総売上の向上を図る。
  • 使用した経営学の知識

    • 価格戦略: 需要と供給のバランスを調整するための価格設定。
    • ダイナミックプライシング(価格変動制): 需要の変動に応じて価格を変動させ、収益を最大化する手法。ここでは時間帯によって価格を変える(オフピーク設定)。
    • レベニューマネジメント: サービス業において、供給(ベッド数)が固定されている場合に、価格と需要をコントロールして収益を最大化する経営手法。

第 3 問(配点 30 点)

設問文

B 社は現在、顧客の氏名、年齢、連絡先、受けた施術コースのみを登録している。今後、顧客に寄り添い、長期的な関係性を構築するために、B 社の強みを活かしてどのような顧客情報を新たに蓄積し、どのように活用すべきか、150 字以内で助言せよ。

回答例(146 字)

蓄積すべき情報は ① 競技種目、練習頻度、目標、過去の怪我履歴 ② 身体の悩みや施術要望、③ 顧客の不安や心の痛みである。活用法は、これらの情報を基に従業員の専門性を活かした競技別の施術やセルフケア指導を行う。さらに、社長の強みである傾聴力で顧客の不安に寄り添い、信頼関係を構築し、継続的な来店を促す。

解説

  • 問題文の該当箇所

    • 「顧客に寄り添い、長期的な関係性を構築するために」
    • 「B 社の強みを活かして」
    • 「どのような顧客情報を新たに蓄積し、どのように活用すべきか」
    • 課題:「リピーターにならず来店頻度が低い」「必要な顧客情報がうまく蓄積できず、そのため顧客に寄り添った対応がまだ十分である」
    • 強み:「スポーツ競技別に専門性を有していて」「顧客の声に耳を傾け、顧客の不安や心の痛みの解消も目指した」「『心のしこりも揉みほぐす』という評価」
  • 答案作成の根拠   課題は「リピーター不足」と「顧客情報不足による寄り添った対応の欠如」。これを B 社の「強み」を活かして解決する(CRM の構築)ことが求められている。

    1. 蓄積すべき情報: B 社の強み(競技別の専門性、心のケア)を活かすため、現状の基本情報に加えて以下を蓄積する。

      • (強み:専門性対応)従業員の競技別専門性を活かすため、「① 競技種目、練習頻度、目標、過去の怪我履歴」や「② 身体の悩みや施術要望」といった技術的側面からの情報を収集する。
      • (強み:心のケア対応)社長の「心のしこりも揉みほぐす」傾聴力を活かすため、「③ 顧客の不安や心の痛み」という精神的側面からの情報も収集する。
    2. 活用方法: 蓄積した情報を活用し、単なるマッサージ以上の付加価値を提供する。

      • (強み:専門性)収集した ①② の情報を基に、従業員が競技特性や個々の状態に合わせた施術プラン、セルフケア(ストレッチ等)を提案する(One to One 対応)。
      • (強み:心のケア)収集した ③ の情報を基に、社長の強みである傾聴力を活かし、身体だけでなく競技や生活上の不安にも寄り添う。
    3. 目的: これら両面からのアプローチにより顧客満足度と信頼関係を高め、「長期的な関係構築」を実現し、「継続的な来店」を促す。

  • 使用した経営学の知識

    • CRM (Customer Relationship Management: 顧客関係管理): 顧客情報を蓄積・分析し、顧客一人ひとりに合わせた対応を行うことで、長期的な信頼関係を築き、顧客ロイヤルティを高める経営手法。
    • One to One マーケティング: 顧客個別のニーズに対応したマーケティング活動。

第 4 問(配点 30 点)

設問文

コンディショニング不良に悩む、未来のアスリートを目指す中高や大学の部活生をさらに呼び込むために、B 社社長は Web サイトに動画を掲載しようと考えている。どのような内容の動画にすべきか、100 字以内で助言せよ。

回答例(96 字)

大学トレーナーも務める競技経験者の従業員が、競技別のコンディショニング不良の原因や自宅でできるケア方法を解説する。また、施術により改善した学生の声を掲載し、専門性と信頼性を訴求し、来店を促す。

解説

  • 問題文の該当箇所

    • 「コンディショニング不良に悩む、未来のアスリートを目指す中高や大学の部活生をさらに呼び込むため」
    • 「Web サイトに動画を掲載」
    • 強み:「(従業員が)サッカー、バスケットボール、バレーボール、野球の競技経験を持つ」「スポーツ競技別に専門性を有していて、各競技でのトレーナー経験を持っている」「(大学と)専属トレーナー契約」
  • 答案作成の根拠 ターゲットは「コンディショニング不良に悩む部活生」。彼らの悩み(不安)を解消し、B 社への信頼感を醸成する内容が求められる。

    1. 専門性の訴求: ターゲットに最も響く B 社の強みは、「競技別の専門性」と「大学トレーナーとしての実績」である。動画では、競技経験のある従業員(=ターゲットの先輩)が、大学トレーナーという権威性をもって登場する。
    2. 有益な情報提供: ターゲットの悩みである「コンディショニング不良」に対し、競技別(野球の肩、サッカーの足首など)の具体的な原因解説や、セルフケア方法(ストレッチ、テーピング実演など)を提供する。これにより専門性を示し、信頼を獲得する(コンテンツマーケティング)。
    3. 信頼性の補完: 実際に施術を受けてコンディションが改善した同世代の「学生の声(お客様の声)」を掲載することで、施術の効果を裏付け、ターゲットの来店への心理的ハードルを下げる。
  • 使用した経営学の知識

    • Web マーケティング(コンテンツマーケティング): ターゲット層に有益なコンテンツ(動画)を提供することで、潜在顧客の認知と信頼を獲得し、最終的な購買(来店)につなげる手法。
    • ターゲティング: 特定の顧客層(部活生)に絞り込み、その層のニーズに響くメッセージを発信する戦略。
    • 権威性(専門家)の活用: 専門家(トレーナー、競技経験者)による情報発信は、信頼性を高める効果がある。

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