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令和 2 年度(2020 年度)事例 Ⅲ

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# 令和 2 年度(2020 年度)事例 Ⅲ

## 与件文

【注意事項】  
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とその影響は考慮する必要はない。

【C 社の概要】  
C 社は、1955 年創業で、資本金 4,000 万円、デザインを伴うビル建築用金属製品やモニュメント製品などのステンレス製品を受注・製作・据付する企業で、従業員は営業部 5 名、製造部 23 名、総務部 2 名の合計 30 名で構成される。C 社が受注しているビル建築用金属製品の主なものは、出入口の窓枠やサッシ、各種手摺、室内照明ボックスなどで、特別仕様の装飾性を要求されるステンレス製品である。またモニュメント製品は、作家(デザイナー)のデザインに従って製作するステンレス製の立体的造形物である。どちらも個別受注製品であり、C 社の工場建屋の制約から設置高さ 7m 以内の製品である。主な顧客は、ビル建築用金属製品については建築用金属製品メーカー、モニュメント製品についてはデザイナーである。

創業時は、サッシ、手摺など建築用金属製品の特注品製作から始め、特に鏡面仕上げなどステンレス製品の表面品質にこだわり、溶接技術や研磨技術を高めることに努力した。その後、ビル建築内装材の大型ステンレス加工、サイン(案内板)など装飾性の高い製品製作に拡大し、それに対応して設計技術者を確保し、設計から製作、据付工事までを受注する企業になった。

その後、3 代目である現社長は、就任前から溶接技術や研磨技術を生かした製品市場を探していたが、ある建築プロジェクトで外装デザインを行うデザイナーから、モニュメントの製作依頼を受けたことを契機として、特殊加工と仕上げ品質が要求されるステンレス製モニュメント製品の受注活動を始めた。モニュメント製品は受注量が減少したこともあったが、近年の都市型建築の増加に伴い製作依頼が増加している。受注量の変動が大きいものの、全売上高の 40%を占め、ビル建築用金属製品と比較して付加価値が高いため、今後も受注の増加を狙っている。

【業務プロセス】  
ビル建築用金属製品、モニュメント製品の受注から引き渡しまでの業務フローは以下の通りである。受注、設計、据付工事施工管理は営業部が担当する。顧客から引き合いがあると、受注製品ごとに受注から引き渡しに至る営業部担当者を決め、顧客から提供される設計図や仕様書などを基に、製作仕様と納期を確認して見積書を作成・提出し、契約締結後、製作図および施工図を作成して顧客承認を得る。通常、製作図および施工図の顧客承認段階では、仕様変更や図面変更などによって顧客とのやり取りが多く発生する。特にモニュメント製品では、造形物のイメージの合わせに時間を要する場合が多く、図面承認後の製作段階でも打ち合わせが必要な場合がある。設計には 2 次元 CAD を早くから使用している。

その後、製作図を製造部に渡すことにより製作指示をする。製作終了後、据付工事があるものについては、営業部担当者が施工管理して据付工事を行い、検査後顧客に引き渡す。据付工事は社外の協力会社に依頼し、施工管理のみ社内営業部担当者が行っている。契約から製品引き渡しまでのリードタイムは、平均約 2 か月である。最終引き渡し日が設定されているが、契約、図面作成、顧客承認までの製作前プロセスに時間を要して製作期間を十分に確保できないことや、複雑な形状など高度な加工技術が必要な製品などの受注内容によって、製作期間が生産計画をオーバーするなど、納期の遅延が生じ C 社の大きな悩みとなっている。C 社では、全社的な改善活動として「納期遅延の根絶」を掲げ、製作プロセスを含む業務プロセス全体の見直しを進めている。また、その対策の支援システムとして IT 化も検討している。

【生産の現状】  
製作工程は切断加工、曲げ加工、溶接・組立、研磨、最終検査の 5 工程である。切断加工工程と曲げ加工工程は NC 加工機による加工であり、作業員 2 名が担当している。溶接・組立工程と研磨工程は溶接機や研磨機を用いた手作業であり、4 班の作業チームが受注製品別に担当している。この作業チームは 1 班 5 名で編成され、熟練技術者が各班のリーダーとなって作業管理を行うが、各作業チームの技術力には差があり、高度な技術が必要な製作物の場合には任せられない作業チームもある。ビル建築用金属製品は切断加工、曲げ加工、溶接・組立までは比較的単純であるが、その後の研磨工程に技術を要する。また、モニュメント製品は立体的で複雑な曲線形状の製作が多く、全ての工程で製作図の理解力と高い加工技術が要求される。ビル建築用金属製品は製作完了後、製造部長と営業部の担当者が最終検査を行って出荷する。モニュメント製品は、デザイナーの立ち会いの下、最終検査が行われ、この際デザイナーの指示によって製品に修整や手直しが生じる場合がある。

生産計画は、製造部長が月次で作成している。月次生産計画は、営業部の受注情報、設計担当者の製品仕様情報によって、納期順にスケジューリングされるが、溶接・組立工程と研磨工程は加工の難易度などを考慮して各作業チームの振り分けを行いスケジューリングされる。C 社の製品については基準となる工程順序や工数見積もりなどの標準化が確立しているとはいえない。工場は 10 年前に改築し、個別受注生産に適した設備や作業スペースのレイアウトに改善したが、最近の加工物の大型化によって狭隘な状態が進み、溶接・組立工程と研磨工程の作業スペースの確保が難しく、新たな製品の着手によって作業途中の加工物の移動などを強いられている。

製造部長は、全社的改善活動のテーマである納期遅延の問題点を把握するため、作業時間中の作業者の稼働状態を調査した。それによると、不稼働の作業内容としては、「材料・工具運搬」と「歩行」のモノの移動に関連する作業が多く、その他作業者間の「打ち合わせ」、営業部担当者などとの打ち合わせのための「不在」が多く発生していた。

## 設問文

### 第 1 問(配点 20 点)

C 社の ⒜ 強みと ⒝ 弱みを、それぞれ 40 字以内で述べよ。

#### ⒜ 強み

#### ⒝ 弱み

### 第 2 問(配点 40 点)

C 社の大きな悩みとなっている納期遅延について、以下の設問に答えよ。

#### (設問 1)

C 社の営業部門で生じている ⒜ 問題点と ⒝ その対応策について、それぞれ 60 字以内で述べよ。

##### ⒜ 問題点

##### ⒝ 対応策

#### (設問 2)

C 社の製造部門で生じている ⒜ 問題点と ⒝ その対応策について、それぞれ 60 字以内で述べよ。

##### ⒜ 問題点

##### ⒝ 対応策

### 第 3 問(配点 20 点)

C 社社長は、納期遅延対策として社内の IT 化を考えている。C 社の IT 活用について、中小企業診断士としてどのように助言するか、120 字以内で述べよ。

### 第 4 問(配点 20 点)

C 社社長は、付加価値の高いモニュメント製品事業の拡大を戦略に位置付けている。モニュメント製品事業の充実、拡大をどのように行うべきか、中小企業診断士として 120 字以内で助言せよ。

## 出題の趣旨

### 第 1 問(配点 20 点)

ステンレス加工業 C 社の事業内容を把握し、C 社の強みと弱みを分析する能力を問う問題である。

### 第 2 問(配点 40 点)

#### (設問 1)

納期遅延の発生に影響している C 社営業部門の問題点を整理し、その解決策を助言する能力を問う問題である。

#### (設問 2)

納期遅延の発生に影響している C 社製造部門の問題点を整理し、その解決策を助言する能力を問う問題である。

### 第 3 問(配点 20 点)

C 社の納期遅延の対策に有効な社内の IT 活用について、助言する能力を問う問題である。

### 第 4 問(配点 20 点)

モニュメント事業の充実と拡大を狙う C 社の戦略について、助言する能力を問う問題である。

# 令和 2 年度(2020 年度)事例 Ⅲ 回答と解説

## 第 1 問(配点 20 点)

### 設問文

C 社の ⒜ 強みと ⒝ 弱みを、それぞれ 40 字以内で述べよ。

### 回答例

- **(a) 強み(33 字):ステンレス製品の高い溶接・研磨技術と設計から据付までの一貫対応力。**
- **(b) 弱み(34 字):生産計画や工数見積もりの標準化が未確立で、納期遅延が頻発している点。**

### 解説

#### (a) 強み

- **問題文の該当箇所**

  - 「特に鏡面仕上げなどステンレス製品の表面品質にこだわり、溶接技術や研磨技術を高めることに努力した」
  - 「特殊加工と仕上げ品質が要求されるステンレス製モニュメント製品の受注活動を始めた」
  - 「設計から製作、据付工事までを受注する企業になった」

- **答案作成の根拠**
  与件文から、C 社は創業以来ステンレス製品の加工技術、特に溶接・研磨技術を磨き、それが装飾性の高いビル建築用製品や、特殊加工が求められるモニュメント製品の受注につながっていることがわかる。これが C 社の核となる技術的強みである。また、顧客の要望に応える形で設計部門を強化し、設計から製作、据付までを一貫して手がける体制を構築したことも、顧客に対する提供価値を高める強みといえる。この 2 点を集約して解答とした。

- **使用した経営学の知識**
  - **コア・コンピタンス**: 企業の中核となる強み。C 社における「高いステンレス加工技術」がこれに該当する。
  - **バリューチェーン**: 価値連鎖。C 社は「設計 → 製作 → 据付」というバリューチェーンを自社で一貫して提供できる体制を構築しており、これが競争優位性となっている。

#### (b) 弱み

- **問題文の該当箇所**

  - 「納期の遅延が生じ C 社の大きな悩みとなっている」
  - 「C 社の製品については基準となる工程順序や工数見積もりなどの標準化が確立しているとはいえない」

- **答案作成の根拠**
  与件文には、C 社の「大きな悩み」として「納期遅延」が明確に記述されている。その根本原因を探ると、製造現場において「基準となる工程順序や工数見積もりなどの標準化が確立しているとはいえない」という生産管理上の問題点が指摘されている。この管理体制の不備が、結果として納期遅延という経営課題を引き起こしていると判断し、これを C 社の弱みとして記述した。他にも工場の狭隘化や作業チーム間の技術力格差なども弱みであるが、最も根源的な問題は管理体制の未整備である。

- **使用した経営学の知識**
  - **生産管理**: 生産活動を効率的に行うための管理手法。C 社は工程管理や作業管理の基本となる「標準化(作業標準、時間標準)」が確立しておらず、生産統制が有効に機能していない状態にある。

## 第 2 問(配点 40 点)

### 設問文

C 社の大きな悩みとなっている納期遅延について、以下の設問に答えよ。

### (設問 1)

C 社の営業部門で生じている ⒜ 問題点と ⒝ その対応策について、それぞれ 60 字以内で述べよ。

### 回答例

- **(a) 問題点(60 字):顧客との仕様調整・図面承認に時間を要し、製造期間を圧迫している点。製作開始後も打ち合わせが発生し、手戻りの原因となる点。**
- **(b) 対応策(59 字):3 次元 CAD を導入し顧客との合意形成を迅速化し、作業前倒しを強化する。製造部門と連携し、製作上の問題を早期に解決する。**

#### 解説

- **問題文の該当箇所**

  - 「製作前プロセスに時間を要して製作期間を十分に確保できないこと」
  - 「仕様変更や図面変更などによって顧客とのやり取りが多く発生する」
  - 「モニュメント製品では、造形物のイメージの合わせに時間を要する場合が多く、図面承認後の製作段階でも打ち合わせが必要な場合がある」

- **答案作成の根拠**
  **(a) 問題点**: 納期遅延の原因として、営業部門が担当する「製作前プロセス」に時間がかかりすぎ、製造部門の期間を圧迫していることが挙げられる。特に、顧客との仕様のすり合わせや図面承認が長期化し、さらに製作開始後にも打ち合わせや仕様変更が発生している。これが手戻りを生み、さらなる遅延につながっていると分析した。

  **(b) 対応策**: 問題点である「合意形成の長期化」と「手戻り」を解決する必要がある。立体的で複雑な形状を持つモニュメント製品のイメージ共有には、現行の 2 次元 CAD では限界がある。そこで、視覚的に理解しやすい**3 次元 CAD**の導入が有効である。これにより、顧客との合意形成を迅速化し、設計段階で問題を洗い出す**フロントローディング**が可能になる。また、設計段階から製造部門を巻き込むことで、製作上の課題を早期に抽出し、後工程での手戻りを防止する。

- **使用した経営学の知識**
  - **フロントローディング**: 開発・設計の初期段階に業務を前倒しで集中的に行い、後工程での仕様変更や手戻りを減らす手法。3 次元 CAD の活用はこれを促進する。
  - **コンカレント・エンジニアリング**: 設計部門と生産技術部門など、関連部署が同時並行で業務を進める手法。営業(設計)と製造の連携強化がこれにあたる。

### (設問 2)

C 社の製造部門で生じている ⒜ 問題点と ⒝ その対応策について、それぞれ 60 字以内で述べよ。

### 回答例

- **(a) 問題点(60 字):工数見積等の標準化が未確立な点。チーム間の技術力格差や工場の狭隘化により手待ちや運搬、打ち合わせ等の不稼働時間が多い点。**
- **(b) 対応策(60 字):作業手順の標準化により、生産計画の精度を向上させる。OJT による多能工化で技術力を平準化し、5S 徹底で作業効率を高める。**

#### 解説

- **問題文の該当箇所**

  - 「基準となる工程順序や工数見積もりなどの標準化が確立しているとはいえない」
  - 「各作業チームの技術力には差があり」
  - 「加工物の大型化によって狭隘な状態が進み、作業途中の加工物の移動などを強いられている」
  - 不稼働の作業内容:「材料・工具運搬」「歩行」「打ち合わせ」

- **答案作成の根拠**
  **(a) 問題点**: 製造部門における納期遅延の原因は多岐にわたる。まず、生産計画の前提となる工数見積もり等の「標準化」ができていないこと。次に、熟練度に依存した生産体制による「技術力の格差」。そして、工場の物理的な問題である「狭隘化」。これらが複合し、作業者の稼働調査で明らかになった「運搬・歩行・打ち合わせ」といった非効率な作業(不稼働)を多発させている。これらを体系的に整理し、問題点として記述した。

  **(b) 対応策**: 抽出した問題点に直接対応する策を述べる。

  1.  **標準化の欠如に対して**: 作業手順を標準化し、それに基づき標準時間を設定する。これにより、精度の高い生産計画の立案が可能になる。
  2.  **技術力の格差に対して**: 熟練技術者から若手への OJT や計画的な研修(OFF-JT)を通じて、技術の伝承と多能工化を進め、チーム間の技術レベルを平準化する。
  3.  **工場の狭隘化・不稼働に対して**: 整理・整頓・清掃・清潔・躾を徹底する「5S 活動」は、運搬や歩行といったムダを削減する第一歩である。これにより作業スペースを確保し、効率的な工場レイアウトの基礎を築く。

- **使用した経営学の知識**
  - **IE(インダストリアル・エンジニアリング)**: 作業研究(方法研究、作業測定)を通じて、生産プロセスの効率化を図る学問。作業標準や標準時間の設定は IE の基本である。
  - **多能工化**: 一人の作業者が複数の工程や作業をこなせるようにする人材育成の手法。生産の柔軟性を高め、属人化を防ぐ。
  - **5S**: 製造業やサービス業における職場環境維持・改善のスローガン。「整理、整頓、清掃、清潔、躾」の 5 つを指し、生産性向上や安全確保の基本となる活動。

## 第 3 問(配点 20 点)

### 設問文

C 社社長は、納期遅延対策として社内の IT 化を考えている。C 社の IT 活用について、中小企業診断士としてどのように助言するか、120 字以内で述べよ。

### 回答例(104 字)

**全社の情報共有基盤を整備する。営業部門は 3 次元 CAD で設計情報を一元化し製造部門と共有する。製造部門は生産管理システムで工程ごとの負荷や進捗状況を可視化する。これにより部門間連携を強化し、納期遵守を実現する。**

### 解説

- **問題文の該当箇所**

  - 「製作プロセスを含む業務プロセス全体の見直しを進めている。また、その対策の支援システムとして IT 化も検討している」
  - 「作業者間の「打ち合わせ」、営業部担当者などとの打ち合わせのための「不在」が多く発生していた」
  - 「基準となる工程順序や工数見積もりなどの標準化が確立しているとはいえない」

- **答案作成の根拠**
  C 社の IT 化の目的は「納期遅延の根絶」の支援である。納期遅延の原因は、営業(設計)と製造の各部門に跨っている。特に、部門間の情報共有不足が「打ち合わせ」の多発を招き、非効率を生んでいる。
  したがって、助言としては、部門最適ではなく全体最適の視点から、**全社的な情報共有基盤の構築**をまず提案する。
  その上で、具体的な IT ツールとして、第 2 問の分析で有効と判断したものを挙げる。

  1.  **営業部門**: **3 次元 CAD**を導入し、顧客との合意形成を迅速化すると同時に、その設計情報(部品表:BOM など)を製造部門が直接活用できるデータとして一元管理する。
  2.  **製造部門**: **生産管理システム**を導入し、標準化されたデータに基づき、各工程の負荷や作業の進捗状況をリアルタイムで「見える化」する。
      これらの IT ツールが連携することで、部門間の情報伝達がスムーズになり、打ち合わせが削減され、精度の高い生産計画と進捗管理が可能となり、納期遵守につながる、という論理構成で助言をまとめた。

- **使用した経営学の知識**
  - **生産管理システム**: 生産計画、工程管理、資材管理、原価管理などを統合的に行う情報システム。進捗の可視化や負荷の平準化に貢献する。
  - **CAD/CAM/CAE 連携**: 設計(CAD)データを生産(CAM)や解析(CAE)に連携させることで、開発リードタイムの短縮と品質向上を図る。3 次元 CAD データの活用は、この連携の第一歩となる。
  - **情報一元管理**: 情報を一か所に集約して管理・共有すること。部門間の認識齟齬を防ぎ、意思決定を迅速化する。

## 第 4 問(配点 20 点)

### 設問文

C 社社長は、付加価値の高いモニュメント製品事業の拡大を戦略に位置付けている。モニュメント製品事業の充実、拡大をどのように行うべきか、中小企業診断士として 120 字以内で助言せよ。

### 回答例(108 字)

**納期遵守体制を構築し、既存顧客であるデザイナーとの関係を強化して安定受注を図る。同時に、高い技術力と一貫対応力を強みとして、Web サイトや展示会で実績を PR し、ゼネコンや設計事務所、地方自治体等の新規顧客を開拓する。**

### 解説

- **問題文の該当箇所**

  - 「付加価値の高いモニュメント製品事業の拡大を戦略に位置付けている」
  - 「モニュメント製品は受注量が減少したこともあったが、近年の都市型建築の増加に伴い製作依頼が増加している」
  - 「主な顧客は、...モニュメント製品についてはデザイナーである」

- **答案作成の根拠**
  モニュメント製品事業の「充実」と「拡大」という 2 つの方向性で助言を構成する。

  1.  **事業の充実(既存顧客の深耕)**:
      まず、足元を固めることが重要である。現在の主な顧客は「デザイナー」であり、彼らとの関係性が事業の基盤である。しかし、C 社は納期遅延という大きな問題を抱えている。この状態で新規開拓を進めても、顧客満足を得られず失敗する可能性が高い。したがって、第 2 問・第 3 問で検討したような**納期遵守体制の構築**を最優先課題とし、それを実現することで既存顧客であるデザイナーからの信頼を高め、リピート受注や紹介による安定的な受注基盤を「充実」させることを提案する。

  2.  **事業の拡大(新規顧客の開拓)**:
      安定した基盤の上で、次なる成長を目指す。モニュメントは「都市型建築の増加に伴い製作依頼が増加」しており、市場機会は存在する。現在の顧客であるデザイナー経由だけでなく、建築プロジェクトの主体である**ゼネコンや設計事務所**、公共事業を発注する**地方自治体**などへ直接アプローチすることで、新たな販路を「拡大」する。その際のアピールポイントは、第 1 問で分析した C 社の強みである「高い技術力(溶接・研磨)」と「設計から据付までの一貫対応力」である。これらの強みを**Web サイトや建築関連の展示会**などで具体的に PR し、新規顧客を獲得していく戦略を助言する。

- **使用した経営学の知識**
  - **アンゾフの成長マトリクス**: 企業の成長戦略を「市場」と「製品」の 2 軸で分類するフレームワーク。本解答では、「市場浸透(既存市場 × 既存製品)」によって事業基盤を固め(充実)、その上で「市場開拓(新規市場 × 既存製品)」によって事業を拡大する、という段階的な成長戦略を提案している。
  - **マーケティング・コミュニケーション**: 企業の製品やサービスの価値をターゲット顧客に伝え、購買を促進するための活動。Web サイトや展示会での PR がこれにあたる。

## AI への指示

あなたは、中小企業診断士二次試験の採点官です。二次試験は上位 18%しか合格できない難関試験です。そのため、上位 10%に入れるように厳しく添削してください。

**評価の基本方針**

- **模範解答は絶対的な正解ではなく、あくまで高得点答案の一例として扱います。**
- あなたの解答の評価は、第一に**与件文の記述と設問要求に忠実であるか**、第二に**中小企業診断士としての一貫した論理が展開できているか**を最優先の基準とします。
- 模範解答とは異なる切り口や着眼点であっても、それが与件文に根拠を持ち、論理的に妥当であれば、その**独自の価値を積極的に評価**してください。
- 模範解答は、比較対象として「こういう切り口・要素もある」という**視点を提供するもの**として活用し、あなたの解答との優劣を単純に比較するのではなく、多角的な分析のために使用してください。

上記の基本方針に基づき、以下の入力情報と評価基準に従って、**60 点の合格ラインを安定して超えることを目的とした現実的な視点**で私の解答を添削してください。**加点できそうなポイントと、失点を防ぐべきポイント**をバランス良く指摘してください。

評価は点数ではなく、下記の**ABCDEF 評価基準**に沿って行ってください。

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### ABCDEF 評価基準

- **A 評価 (完璧 / 80 点以上):** 設問要求を完全に満たし、複数の重要な根拠を的確に網羅している。論理構成が極めて明快で、非の打ちどころがないレベル。
- **B 評価 (高得点レベル / 70 点〜79 点):** 設問要求に的確に応え、重要な根拠を複数盛り込んでいる。論理構成が明快な、上位合格答案レベル。
- **C 評価 (合格レベル / 60 点〜69 点):** 設問の主要な要求を満たしており、大きな論理的破綻がない。安定して合格点をクリアできるレベル。
- **D 評価 (合格ボーダーライン / 55 点〜59 点):** 解答の方向性は合っているが、根拠の不足や論理の飛躍が散見される。合否が分かれるレベル。
- **E 評価 (要改善レベル / 50 点〜54 点):** 解答の方向性に部分的な誤りがあるか、根拠が著しく不足している。合格には改善が必要なレベル。
- **F 評価 (不合格レベル / 49 点以下):** 設問の意図の誤解や、与件文の無視など、根本的な改善が必要なレベル。

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### 入力情報

与件文、設問文、出題の趣旨、解説、あなたの回答を参照してください。

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### 出力項目

以下の形式で、詳細なフィードバックをお願いします。

冒頭で `ABCDEF 評価基準`の定義を説明します。

**1. 設問ごとの添削**

**模範解答(比較参考用)**

`回答例と解説`の回答例を出力してください。

**あなたの回答**

模範回答との比較用にあなたの回答を掲載してください。

- **評価:** この設問の評価を **A / B / C / D / E / F** で端的に示してください。

- **フィードバック:**

- **① 設問解釈と方向性:** 設問の意図を正しく捉えられているか。解答の方向性は適切か。模範解答とは違う切り口だが、与件文・設問要求に照らして有効か、といった視点で評価してください。
- **② 与件文の活用:** 解答の根拠として、与件文中のどの SWOT 情報を、どの程度効果的に使えているか。根拠の抽出漏れや解釈の間違いはないか。
- **③ 知識と論理構成:** 診断士としての経営知識を適切に応用できているか。「A だから B になる」という因果関係は明確で、論理に飛躍はないか。模範解答とは異なる論理展開でも、それが妥当であれば評価してください。
- **④ 具体性と表現:** 抽象論に終始せず、企業の状況に合わせた具体的な記述ができているか。冗長な表現や不適切な言葉遣いはないか。
- **改善提案:**どうすれば A・B 評価の解答に近づけるか、**「どの与件文のこの部分を使い、このように論理を展開すべきだった」**というように、具体的かつ実践的な改善案を提示してください。あなたの解答の優れた点を活かす形での改善案も歓迎します。

**2. 総評**

- **総合評価:** 全ての設問を考慮した最終評価を **A / B / C / D / E / F** で示してください。
- **全体を通しての強み:** 今後の学習でも活かすべき、あなたの解答の良い点を挙げてください。(模範解答にない独自の視点など)
- **全体を通しての課題:** 合格のために、最も優先的に改善すべき点を指摘してください。
- **合格に向けたアドバイス:** 今後の学習方針について、具体的なアドバイスをお願いします。

## あなたの回答

### 第 1 問(配点 20 点)

#### ⒜ 強み

#### ⒝ 弱み

### 第 2 問(配点 40 点)

#### (設問 1)

##### ⒜ 問題点

##### ⒝ 対応策

#### (設問 2)

##### ⒜ 問題点

##### ⒝ 対応策

### 第 3 問(配点 20 点)

### 第 4 問(配点 20 点)

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