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平成 25 年度(2013 年度)事例 Ⅳ
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# 平成 25 年度(2013 年度)事例 Ⅳ
## 与件文
D 社は創業 70 年ほどの資本金 100 百万円、売上高 630 百万円、従業員数 40 名の医薬品製剤製造会社である。配置薬の販売を行っていた創業者が考案した内服薬が市場で高い評価を得たことから、同社が設立された。当初は自社製品群が主力であったが、市場が大きく変化し、現在はジェネリック医薬品や栄養ドリンクなど大手医薬品メーカー製品の OEM 生産が主体となっている。
D 社は大手医薬品メーカーの要請に積極的に対応し、生産工程の技術管理、衛生管理や納期の徹底を図るなどして、厚い信頼を得てきた。その過程で、生産ラインの見直しと自動化が進んだ結果、工場スペースが有効に活用できるようになった。現在は新工場のみで生産が行われ、旧工場は休眠中である。
経営状態は比較的安定しているものの、近年の大手医薬品メーカーによる品質管理のさらなる徹底および価格低減の要請が粗利益の圧迫要因となり、事業の見通しは決して明るいものではない。このような状況から脱却するために、受け身ではなく「攻め」の経営を志向する必要性を現在の経営者は感じている。その一環として、現在休眠中の旧工場の建屋を活用したアグリビジネス、具体的には新規事業として植物工場の設立を検討している。
ここで、植物工場とは、「施設内で植物の生育環境(光、温湿度、二酸化炭素濃度、養分、水分等)を制御して栽培を行う施設園芸のうち、環境および生育のモニタリングを基礎として、高度な環境制御と生育予測を行うことにより、野菜等の植物の周年・計画生産が可能な栽培施設」と定義される(「植物工場の事例集」農林水産省・経済産業省)。
D 社では、植物工場の形式を太陽光・人工光併用型とし、水耕栽培でハーブ類や薬草を栽培、出荷することを検討している。また、栽培においては水温・水質の管理、温度・湿度の管理、といった工程管理、品質管理が重要となるが、これらの面では、D 社が長年培ってきた生産管理上のノウハウを生かすことが期待されている。
工場で栽培される植物は十分な需要が存在し、一定の品質が保証される限り、すべて生産した期に販売されると見込まれる。
なお、D 社の現在の貸借対照表は次のとおりである。
### 貸借対照表
(単位:百万円)
| 資産の部 | | 負債の部 | |
| :------------- | :-- | :------------------- | :-- |
| 流動資産 | 570 | 流動負債 | 200 |
| 現金及び預金 | 300 | 仕入債務 | 60 |
| 売上債権 | 160 | 短期借入金 | 30 |
| 棚卸資産 | 90 | 未払金 | 50 |
| その他 | 20 | その他 | 60 |
| 固定資産 | 385 | 固定負債 | 230 |
| 有形固定資産 | 290 | 長期借入金 | 70 |
| 建物・構築物 | 100 | その他 | 160 |
| 機械及び装置 | 30 | **負債合計** | 430 |
| 車両・工具 | 10 | **純資産の部** | |
| 土地 | 145 | 資本金 | 100 |
| その他 | 5 | 資本剰余金 | 50 |
| 無形固定資産 | 5 | 利益剰余金 | 375 |
| その他固定資産 | 90 | **純資産合計** | 525 |
| **資産合計** | 955 | **負債・純資産合計** | 955 |
## 第 1 問 (配点 25 点)
## 第 1 問(配点 25 点)
D 社では、植物工場設立にあたり、開業資金 150 百万円のうち、100 百万円の出資を予定している。内訳は、D 社の余剰資金から 70 百万円、金融機関からの長期借入 30 百万円である。
出資による D 社への影響を評価するために、現在の D 社の貸借対照表と、出資直後の予想貸借対照表から財務状況を比較することにした。
財務状況を表す主要な財務比率を 3 つあげ、その財務比率の名称を(a)欄に、出資直前の数値(小数点第 3 位を四捨五入すること)を(b)欄に、出資直後の数値(小数点第 3 位を四捨五入すること)を(c)欄に示せ。
また、出資による D 社への影響を(d)欄に 80 字以内で述べよ。
## 第 2 問(配点 45 点)
植物工場は開業資金として、D 社から 100 百万円を受け入れ、工場自身で 50 百万円を調達する。調達の方法は金融機関から借り入れる(金利年 4%、年 10 百万円を各期末に返済)か、少数私募債(金利年 4%、第 5 期末に一括返済)が検討されている。返済が完了すると同時に、再び同額を借り入れるものとする。
栽培設備設置などには 100 百万円の投資が必要であり、これらは開業までに投資、建設され、開業第 1 期首から設備を稼働させる。設備の耐用年数は 5 年であり、残存価額をゼロとする減価償却を行う。設備は第 5 期末で同額の投資により更新が必要である。
栽培した植物は一定の品質が保証される限り、すべて生産した期に販売が行われるものとする。最大生産能力は売上高に換算して約 100 百万円/年であるが、軌道に乗るまでの第 1 期、2 期は操業度を落とし、売上高をそれぞれ 50 百万円、80 百万円とし、第 3 期からは毎期 90 百万円を予定している。
費用の構成は、変動費が各期売上高の 30%、固定費が毎期 18 百万円と見積もられている。ただし、支払利息と減価償却費は別途計算する。
### (設問 1)
D 社が新たに手掛ける植物工場における 5 年間の減価償却費を、① 定額法を用いて償却した場合と、②200%定率法(第 4 期、第 5 期については未償却残高を均等償却)を用いて償却した場合について(a)欄に示し(単位:百万円、小数点第 2 位を四捨五入すること)、それぞれの合計について 5 年間の営業キャッシュフローの累計額を(b)欄に示せ(単位:百万円、小数点第 2 位を四捨五入すること)。ただし、自身の資金調達は金融機関からの借り入れとし、取引はすべて現金で行われると仮定する。また、法人税率は 40%、欠損金の繰越控除は考慮しないものとする。
### (設問 2)
(設問 1)において、(b)欄の計算結果が一致しなかった理由について 40 字以内で述べよ。
### (設問 3)
植物工場自身での資金調達を、金融機関からの借り入れによる場合と少人数私募債による場合とで、第期末の現金有高を多く残すことができるのは、どちらの調達方法か。調達方法を (a) 欄に、金額を (b) 欄に示せ(単位:百万円、小数点第位を四捨五入すること)。また、その理由を (c) 欄に 30 字以内で述べよ。ただし、減価償却は定額法で行い、取引はすべて現金で行われると仮定する。また、法人税率は 40%、欠損金の繰延控除は考慮しないものとする。
## 第 3 問(配点 30 点)
植物工場で栽培した植物は一定の品質が保証される限り、すべて生産した期に販売されると見込まれているが、前提とされる品質基準に適合しないものが生産されるリスクがある。植物工場において生産計画から納品までのそれぞれのプロセスの中で、考慮すべきリスクに関連するコストを大きい順に 4 つ、90 字以内で述べよ。
# 平成 25 年度(2013 年度) 事例 Ⅳ 解答解説
## 第 1 問(配点 25 点)
出資前後の財務比率を 3 つ挙げ、数値を算出し、D 社への影響を 80 字以内で述べよ。
### 回答
| 欄 | (a) 財務比率の名称 | (b) 出資直前の数値 | (c) 出資直後の数値 |
| :-- | :----------------- | :----------------- | :----------------- |
| 1 | **流動比率** | **285.00 (%)** | **250.00 (%)** |
| 2 | **自己資本比率** | **54.97 (%)** | **53.30 (%)** |
| 3 | **固定比率** | **73.33 (%)** | **92.38 (%)** |
#### (d) D 社への影響(79 字)
**流動資産が減少し借入が増加するため、流動比率および自己資本比率が低下する。また、固定資産が増加するため固定比率が上昇し、短期・長期ともに財務安全性が悪化する。**
---
### 解説
**1. 出資直後の予想貸借対照表(B/S)の作成**
与件文より、出資(100 百万円)は「余剰資金 70 百万円」と「長期借入 30 百万円」で賄われる。
これにより、B/S は以下のように変動する(単位:百万円)。
- **(資産の部)**
- 現金及び預金:300 - 70 = 230
- 流動資産合計:570 - 70 = 500
- その他固定資産(投資):90 + 100 = 190
- 固定資産合計:385 + 100 = 485
- **資産合計:955 + 30 = 985**
- **(負債・純資産の部)**
- 長期借入金:70 + 30 = 100
- 固定負債合計:230 + 30 = 260
- 負債合計:430 + 30 = 460
- 純資産合計:525(変動なし)
- **負債・純資産合計:955 + 30 = 985**
**2. 財務比率の選定と計算(小数第 3 位四捨五入)**
出資により「現金(流動資産)」が「投資(固定資産)」に振り替わり、「借入(負債)」が増加するため、安全性指標への影響が最も大きい。
- **(1) 流動比率(短期安全性)** = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100
- (b) 出資前:570 ÷ 200 = 2.85 → **285.00 (%)**
- (c) 出資後:500 ÷ 200 = 2.50 → **250.00 (%)**
- **(2) 自己資本比率(長期的安全性)** = 純資産合計 ÷ 資産合計 × 100
- (b) 出資前:525 ÷ 955 = 0.5497... → **54.97 (%)**
- (c) 出資後:525 ÷ 985 = 0.5329... → **53.30 (%)**
- **(3) 固定比率(固定資産投資の安全性)** = 固定資産 ÷ 純資産合計 × 100
- (b) 出資前:385 ÷ 525 = 0.7333... → **73.33 (%)**
- (c) 出資後:485 ÷ 525 = 0.9238... → **92.38 (%)**
**3. (d) D 社への影響**
上記の計算結果より、流動性(流動比率)は低下、自己資本比率も低下(借入により総資産が増加したため)、固定比率は上昇(固定資産が増加したため)する。これらはいずれも財務安全性の悪化を意味する。
## 第 2 問(配点 45 点)
### (設問 1)
定額法と 200%定率法それぞれの場合の 5 年間の減価償却費(a)と、5 年間の営業キャッシュフロー累計額(b)を計算せよ。
#### (a) 減価償却費(単位:百万円、小数点第 2 位四捨五入)
| 期 | ① 定額法 | ② 200%定率法 |
| :------ | :------- | :----------- |
| 第 1 期 | 20.00 | 40.00 |
| 第 2 期 | 20.00 | 24.00 |
| 第 3 期 | 20.00 | 14.40 |
| 第 4 期 | 20.00 | 10.80 |
| 第 5 期 | 20.00 | 10.80 |
#### (b) 5 年間の営業キャッシュフローの累計額(単位:百万円、小数点第 2 位四捨五入)
- **① 定額法: 148.40 (百万円)**
- **② 200%定率法: 140.40 (百万円)**
### 解説
**1. 営業キャッシュフロー(営業 CF)の計算**
- 営業 CF = 税引後営業利益 + 減価償却費
- 営業 CF = (売上高 - 変動費 - 固定費 - 支払利息 - 減価償却費) × (1 - 税率) + 減価償却費
- (※ EBT < 0 の場合、税金は 0 のため、営業 CF = EBT + 減価償却費 となる)
**2. 共通データの計算(単位:百万円)**
| 期 | 1 期 | 2 期 | 3 期 | 4 期 | 5 期 |
| :----------------------- | :------- | :------- | :------- | :------- | :------- |
| 売上高 (S) | 50 | 80 | 90 | 90 | 90 |
| 変動費 (V) (30%) | 15 | 24 | 27 | 27 | 27 |
| 固定費 (F) | 18 | 18 | 18 | 18 | 18 |
| 支払利息 (I) | 2.0 | 1.6 | 1.2 | 0.8 | 0.4 |
| **償却前利益 (S-V-F-I)** | **15.0** | **36.4** | **43.8** | **44.2** | **44.6** |
- _支払利息(I): 期首残高 (50, 40, 30, 20, 10) × 4%_
**3. (a) 減価償却費の計算**
- **① 定額法**: 100 百万円 / 5 年 = **20.00** 百万円/年
- **② 200%定率法**:
- 償却率 = (1/5) × 200% = 0.4
- 1 期: 100 × 0.4 = **40.00** (残 60)
- 2 期: 60 × 0.4 = **24.00** (残 36)
- 3 期: 36 × 0.4 = **14.40** (残 21.6)
- 4 期: 設問指示「4 期、5 期は未償却残高を均等償却」
- 21.6 / 2 = **10.80** (残 10.8)
- 5 期: 21.6 / 2 = **10.80** (残 0)
**4. (b) 営業 CF 累計額の計算(単位:百万円)**
- **① 定額法**
- EBT = 償却前利益 - 減価償却費(D1)
- 1 期: 15.0 - 20.0 = -5.0 (EBT < 0) → CF = -5.0 + 20.0 = **15.00**
- 2 期: 36.4 - 20.0 = 16.4 (EBT > 0) → CF = 16.4 × 0.6 + 20.0 = **29.84**
- 3 期: 43.8 - 20.0 = 23.8 (EBT > 0) → CF = 23.8 × 0.6 + 20.0 = **34.28**
- 4 期: 44.2 - 20.0 = 24.2 (EBT > 0) → CF = 24.2 × 0.6 + 20.0 = **34.52**
- 5 期: 44.6 - 20.0 = 24.6 (EBT > 0) → CF = 24.6 × 0.6 + 20.0 = **34.76**
- **累計 = 15.00 + 29.84 + 34.28 + 34.52 + 34.76 = 148.40**
- **② 200%定率法**
- EBT = 償却前利益 - 減価償却費(D2)
- 1 期: 15.0 - 40.0 = -25.0 (EBT < 0) → CF = -25.0 + 40.0 = **15.00**
- 2 期: 36.4 - 24.0 = 12.4 (EBT > 0) → CF = 12.4 × 0.6 + 24.0 = **31.44**
- 3 期: 43.8 - 14.4 = 29.4 (EBT > 0) → CF = 29.4 × 0.6 + 14.4 = **32.04**
- 4 期: 44.2 - 10.8 = 33.4 (EBT > 0) → CF = 33.4 × 0.6 + 10.8 = **30.84**
- 5 期: 44.6 - 10.8 = 33.8 (EBT > 0) → CF = 33.8 × 0.6 + 10.8 = **31.08**
- **累計 = 15.00 + 31.44 + 32.04 + 30.84 + 31.08 = 140.40**
---
### (設問 2)
(b)の計算結果が一致しなかった理由を 40 字以内で述べよ。
### 回答(40 字)
**減価償却費の配分が異なり、初期の赤字で失われたタックスシールドの額が異なるため。**
### 解説
減価償却費の合計(100 百万円)は両方法で同じだが、各期への配分が異なる。
営業 CF は「(償却前利益 - D) × (1-t) + D」もしくは「償却前利益 × (1-t) + D × t」で計算される(D=減価償却費、t=税率)。
「D × t」は減価償却費の節税効果(タックスシールド)を示す。
しかし、第 1 期において、両方法とも税引前利益(EBT)がマイナス(赤字)となった。設問の前提「欠損金の繰越控除は考慮しない」ため、この赤字は将来の税金を減らす効果(タックスシールド)を持たない。
定率法は定額法よりも 1 期の減価償却費が大きく、EBT の赤字額も大きくなった(定額法 -5.0、定率法 -25.0)。
この結果、定率法は定額法に比べて、より多くのタックスシールドを第 1 期で失った(活用できなかった)。
5 年間の合計でみると、実現したタックスシールドの総額が定額法(32.0 百万円)より定率法(24.0 百万円)の方が小さくなり、営業 CF 累計額に 8.0 百万円の差が生じた。
### (設問 3)
#### (a) 調達方法
**金融機関からの借り入れ**
#### (b) 金額
**98.4 (百万円)**
#### (c) 理由
**毎期の元本返済により支払利息が減少し、キャッシュフローの流出が抑えられるため。(30 字)**
### 解説
第 5 期末の現金有高は、以下の式で計算される。
**5 期末現金有高 = 期首現金 + 累計営業 CF - 累計投資 CF + 累計財務 CF(元本)**
**1. 共通項目の整理**
- **期首現金**:D 社からの 100 + 資金調達 50 = **+150** 百万円
- **累計投資 CF**:1 期首の設備投資 100 + 5 期末の設備更新 100 = **-200** 百万円
- **累計財務 CF(元本)**:
与件文「返済が完了すると同時に、再び同額を借り入れるものとする」より、5 年間の元本返済(-50 百万円)と 5 期末の再借入(+50 百万円)が相殺される。
- 銀行借入(元本):-10 (1 期) ... -10 (5 期) + 50 (5 期末) = **0**
- 私募債(元本):-50 (5 期末) + 50 (5 期末) = **0**
- したがって、どちらの方法でも累計財務 CF は 0 となる。
**2. 累計営業 CF の計算(差分)**
差が生じるのは「支払利息」が異なることによる「累計営業 CF」である。
(営業 CF = (売上 - 変動費 - 固定費 - 利息 - 償却) × (1-税率) + 償却。 ※赤字時は EBT+償却)
(減価償却は定額法 20 百万円/年)
- **① 金融機関からの借り入れ(利息 4%・毎期 10 返済)**
- 支払利息 (I):
- 1 期:50×4%=2.0
- 2 期:40×4%=1.6
- 3 期:30×4%=1.2
- 4 期:20×4%=0.8
- 5 期:10×4%=0.4
- 営業 CF((設問 1)の計算結果流用):
- 1 期:(15.0 - 2.0 - 20.0) + 20.0 = **15.00**
- 2 期:(36.4 - 1.6 - 20.0)×0.6 + 20.0 = **29.84**
- 3 期:(43.8 - 1.2 - 20.0)×0.6 + 20.0 = **34.28**
- 4 期:(44.2 - 0.8 - 20.0)×0.6 + 20.0 = **34.52**
- 5 期:(44.6 - 0.4 - 20.0)×0.6 + 20.0 = **34.76**
- **累計営業 CF (借入) = 148.40 百万円**
- **② 少人数私募債(利息 4%・5 期末一括返済)**
- 支払利息 (I):
- 1-5 期:50×4% = **2.0** (毎期)
- 営業 CF:
- 1 期:(15.0 - 2.0 - 20.0) + 20.0 = **15.00**
- 2 期:(36.4 - 2.0 - 20.0)×0.6 + 20.0 = **29.60**
- 3 期:(43.8 - 2.0 - 20.0)×0.6 + 20.0 = **33.80**
- 4 期:(44.2 - 2.0 - 20.0)×0.6 + 20.0 = **33.80**
- 5 期:(44.6 - 2.0 - 20.0)×0.6 + 20.0 = **33.80**
- **累計営業 CF (私募債) = 146.00 百万円**
**3. 5 期末現金有高の比較**
- **① 金融機関からの借り入れ**:
150 (期首) + 148.40 (累計 OCF) - 200 (累計 ICF) + 0 (累計 FCF) = **98.40** (百万円)
- **② 少人数私募債**:
150 (期首) + 146.00 (累計 OCF) - 200 (累計 ICF) + 0 (累計 FCF) = 96.00 (百万円)
したがって、(a) は「金融機関からの借り入れ」、(b) は「98.4」百万円となる。
(c) の理由は、借入の方が利息総額が 4.0 百万円(=10.0-6.0)少なく、税引後で 2.4 百万円(=4.0×(1-0.4))営業 CF が多いためである。
## 第 3 問(配点 30 点)
品質リスクに関連するコストを大きい順に 4 つ、90 字以内で述べよ。
### 回答(79 字)
**① 外部失敗コスト(クレーム対応・返品・信用失墜による機会損失)、② 内部失敗コスト(規格外品の廃棄)、③ 評価コスト(品質検査)、④ 予防コスト(工程・衛生管理)。**
---
### 解説
(第 2 問(設問 3)の解説と同一)
品質リスクに関連するコストは、一般的に「品質コスト」と呼ばれ、以下の 4 つに分類される。コストの大きさは、一般的に「外部失敗 > 内部失敗 > 評価 > 予防」の順となる。
1. **外部失敗コスト**:製品が顧客に渡った後に発見される不適合にかかるコスト。クレーム対応、返品処理、賠償、信用の失墜による将来の売上減少など、最も大きな損害につながる。
2. **内部失敗コスト**:製品が出荷される前に発見される不適合にかかるコスト。与件ではハーブ類や薬草であり「手直し」は困難と想定されるため、規格外品の「廃棄コスト」が主となる。
3. **評価コスト**:品質基準を満たしているかを確認(検査・試験)するためのコスト。
4. **予防コスト**:不適合の発生を未然に防ぐためのコスト。与件の「工程管理」「品質管理」「衛生管理」のノウハウ活用がこれにあたる。
## AI への指示
あなたは、中小企業診断士二次試験(事例 Ⅳ:財務・会計)の採点官です。二次試験は上位 18%しか合格できない難関試験です。そのため、上位 10%に入れるように厳しく添削してください。
**評価の基本方針**
- **模範解答は絶対的な正解ではなく、あくまで高得点答案の一例として扱います。**
- あなたの解答の評価は、第一に**与件文の記述・数値と設問要求に忠実であるか**、第二に**中小企業診断士としての一貫した論理が展開できているか**を最優先の基準とします。
**【記述問題の評価方針】**
- 模範解答とは異なる切り口や着眼点であっても、それが与件文に根拠を持ち、論理的に妥当であれば、その**独自の価値を積極的に評価**してください。
- 模範解答は、比較対象として「こういう切り口・要素もある」という**視点を提供するもの**として活用し、あなたの解答との優劣を単純に比較するのではなく、多角的な分析のために使用してください。
**【計算問題の評価方針】**
- 計算問題は、**最終的な計算結果**だけでなく、そこに至る**計算過程(プロセス)**を重視して評価します。
- **【計算過程スキップの例外】**
- ただし、あなたの回答において `(b)計算過程 スキップ`(あるいは `#### (b)計算過程 スキップ` など、スキップの意図が明確な記載)がされている場合に限り、**(a) の計算結果のみを評価対象とします。**
- この場合、計算結果が正しければ計算過程も正しかったものとみなし、計算結果が間違っていれば計算過程にも誤りがあったものとして評価します(詳細な部分点評価は行いません)。
- **【計算過程の記載がある場合】**
- たとえ最終的な数値が間違っていても、計算の**基本的な考え方**、**立式**、**使用した数値(与件文からのピックアップ)**が正しければ、**部分点を加点**する視点で評価します。
- **【共通事項】**
- **第 1 問設問 1**の財務分析指標の選択のように、**複数の正解(別解)が想定される場合**は、模範解答と異なっていても、与件文から妥当性が読み取れれば正解として評価します。
- **CVP**や**NPV**など、解法がほぼ一意に決まる問題は、**標準的な解法ステップ**を踏めているかを確認します。(※スキップの場合は結果から推定します)
上記の基本方針に基づき、以下の入力情報と評価基準に従って、**60 点の合格ラインを安定して超えることを目的とした現実的な視点**で私の解答を添削してください。**加点できそうなポイントと、失点を防ぐべきポイント**をバランス良く指摘してください。
評価は点数ではなく、下記の**ABCDEF 評価基準**に沿って行ってください。
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### ABCDEF 評価基準
- **A 評価 (完璧 / 80 点以上):** 設問要求を完全に満たし、複数の重要な根拠を的確に網羅している。論理構成・計算過程が極めて明快で、非の打ちどころがないレベル。
- **B 評価 (高得点レベル / 70 点〜79 点):** 設問要求に的確に応え、重要な根拠を複数盛り込んでいる。論理構成・計算過程が明快な、上位合格答案レベル。
- **C 評価 (合格レベル / 60 点〜69 点):** 設問の主要な要求を満たしており、大きな論理的破綻や計算ミスがない。安定して合格点をクリアできるレベル。
- **D 評価 (合格ボーダーライン / 55 点〜59 点):** 解答の方向性は合っているが、根拠の不足やケアレスミスが散見される。合否が分かれるレベル。
- **E 評価 (要改善レベル / 50 点〜54 点):** 解答の方向性に部分的な誤りがあるか、根拠が著しく不足している。計算の前提条件を誤解している。合格には改善が必要なレベル。
- **F 評価 (不合格レベル / 49 点以下):** 設問の意図の誤解や、与件文の無視など、根本的な改善が必要なレベル。
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### 入力情報
与件文、設問文、出題の趣旨、解説、あなたの回答を参照してください。
---
### 出力項目
以下の形式で、詳細なフィードバックをお願いします。
冒頭で `ABCDEF 評価基準`の定義を説明します。
**1. 設問ごとの添削**
**模範解答(比較参考用)**
`回答例と解説`の回答例(計算問題の場合は(a)解答欄と(b)計算過程)を出力してください。
**あなたの回答**
模範回答との比較用にあなたの回答を掲載してください。
- **評価:** この設問の評価を **A / B / C / D / E / F** で端的に示してください。
- **フィードバック:**
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**【計算問題の場合】 (例:第 1 問設問 1、第 2 問、第 3 問)**
- **① 計算結果の正誤:**
最終的な数値、単位(円、千円、基など)、端数処理(切り上げ、四捨五入など)は設問要求通りで、模範解答と一致しているか。
- **② 計算過程(プロセス)の評価:**
- **【計算過程の記載がある場合】**
- **立式・アプローチ:** 問題を解くための基本的な考え方(CVP、NPV、LP、財務指標の定義など)は正しいか。
- **数値のピックアップ:** 与件文や資料から、計算に必要な数値を正しく(漏れなく、間違えなく)引用できているか。(例: NPV 計算での機会費用、運転資本、設備売却益の税金計算など)
- **計算の正確性:** 途中の計算ステップにミスはないか。
- **【計算過程が `スキップ` の場合】**
- **(a) 計算結果の正誤に基づき、本項目も評価します。**
- (a) が正解の場合:計算過程も正しかったものとみなし、高い評価(A または B 評価相当)とします。
- (a) が不正解の場合:計算過程のいずれかのステップ(立式、数値ピックアップ、計算正確性)に誤りがあったものとみなし、評価を下げます。この場合、具体的な誤り箇所の特定は行いませんが、推定される原因を「④ 改善提案」で指摘します。
- **③ 指標選択の妥当性 (第 1 問設問 1 のみ):**
模範解答と異なる指標を選択した場合、その指標が D 社の特徴(優れている点・劣っている点)を示す上で妥当か、与件文から根拠を見いだせるか(別解として成立するか)を評価する。
- **④ 改善提案(失点・部分点分析):**
- **失点箇所:** どこで間違えたか(数値の誤用、立式の誤り、計算ミス、端数処理ミスなど)を具体的に指摘する。(※ `スキップ` されていて結果が不正解の場合、推定される誤りの原因を指摘します)
- **部分点獲得可能性:** 「ここまでは合っているので、配点〇点中 △ 点は期待できる」という視点で評価する。(※ `スキップ` の場合は適用されません)
- **改善点:** 次に同じミスをしないために、どの数値に着目すべきか、どの公式を確認すべきかを具体的にアドバイスする。
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**【記述問題の場合】 (例:第 1 問設問 2、第 4 問)**
- **① 設問解釈と方向性:**
設問の意図(問われていること)を正しく捉えられているか。解答の方向性は適切か。
- **② 与件文・財務諸表の活用:**
解答の根拠として、与件文中のどの記述(SWOT)や、どの財務数値(計算した指標など)を効果的に使えているか。根拠の抽出漏れや解釈の間違いはないか。
- **③ 知識と論理構成:**
診断士としての財務・会計知識を適切に応用できているか。「A(財務状況)だから B(助言)」という因果関係は明確で、論理に飛躍はないか。
- **④ 具体性と表現:**
抽象論に終始せず、D 社の状況に合わせた具体的な記述ができているか。設問の字数制限(例: 80 字)の中で、要点を簡潔にまとめられているか。
- **⑤ 改善提案:**
どうすれば A・B 評価の解答に近づけるか、**「どの与件文(または財務指標)のこの部分を使い、このように論理を展開すべきだった」**というように、具体的かつ実践的な改善案を提示してください。
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**2. 総評**
- **総合評価:** 全ての設問を考慮した最終評価を **A / B / C / D / E / F** で示してください。
- **全体を通しての強み:** 今後の学習でも活かすべき、あなたの解答の良い点(計算の正確性、与件文の読み取り、論理構成など)を挙げてください。
- **全体を通しての課題:** 合格のために、最も優先的に改善すべき点(ケアレスミス、時間配分、特定の分野の知識不足など)を指摘してください。
- **合格に向けたアドバイス:** 今後の学習方針について、特に事例 Ⅳ の学習(計算練習、過去問演習の方法など)について具体的なアドバイスをお願いします。
# あなたの回答
**スキップ機能について**
計算過程の記載が求められる設問((b)計算過程)において、「スキップ」と記載した場合、(a) の計算結果(解答)のみをもって採点されます。計算結果が正しければ計算過程も正しかったものとみなし、結果が誤っていれば過程も誤っていたものとして評価されます(部分点評価は行われません)。
## 第 1 問(配点 25 点)
| 欄 | (a) 財務比率の名称 | (b) 出資直前の数値 | (c) 出資直後の数値 |
| :-- | :----------------- | :----------------- | :----------------- |
| 1 | | | |
| 2 | | | |
| 3 | | | |
## 第 2 問(配点 45 点)
### (設問 1)
#### (a) 減価償却費(単位:百万円、小数点第 2 位四捨五入)
| 期 | ① 定額法 | ② 200%定率法 |
| :------ | :------- | :----------- |
| 第 1 期 | | |
| 第 2 期 | | |
| 第 3 期 | | |
| 第 4 期 | | |
| 第 5 期 | | |
#### (b) 5 年間の営業キャッシュフローの累計額(単位:百万円、小数点第 2 位四捨五入)
- ① 定額法: (百万円)
- ② 200%定率法: (百万円)
### (設問 2)(40 字以内)
### (設問 3)
#### (a) 調達方法
#### (b) 金額
(百万円)
#### (c) 理由(30 字以内)
## 第 3 問(配点 30 点)(90 字以内)